2010/8/1 13:36
ゴーストのない映像及びノイズ
アナログ波より電波障害には全般に強く、アナログ放送で電界強度が十分でありながら画質が劣化してしまう条件であってもデジタル放送では障害物の影響を排除してゴーストのない鮮明な画像が受信できる。ある程度の受信レベルさえ確保できれば難視聴地域の減少も可能となり、中継局の合理化にもつながる。従来のアナログ放送の場合、電波が微弱であってでも不鮮明な映像や音声で限定的に受信することができたがデジタル放送の場合は全く受信できず画面にはエラーメッセージが表示されるか鮮明に受信できるかのどちらかになる場合が多い。中間状態においてはベリノイズやコマ飛びなどを伴う場合がある。しかしブロックノイズ、モスキートノイズなどのデジタル非可逆圧縮映像特有のノイズが存在する。また、BSデジタル放送よりも実効ビットレートが低いためにこれらがより多い。
ただし、アナログで難視聴地域だった地域はデジタルでは事実上の「視聴不可地域」となることがある。これは放送法第2条の2第6項に記される「放送事業者は、その行う放送に係る放送対象地域において、当該放送があまねく受信できるように努めるものとする」との規定に反している。またいったん視聴がエラーによって中断された場合、復帰までに数秒を要する。現状では東京23区内や大阪市内といった都心部では天候によって常時ブロックノイズが表示されたり頻繁に受信が中断されたりする状況であり、アニメーションなどの圧縮に不向きな映像で安定した視聴が妨げられるほか頻繁な音声の中断はニュースなどの受信にも支障となることがある。「ある程度の受信レベル」の確保が困難な地域、例えば空港近隣や鉄道高架直下などや送信機より遠距離かつ障害の多くなる過疎地域などにおいてはこれらが顕著となることがある。
CNR(搬送波雑音比)と呼ばれる搬送波とノイズの比が小さい場合、信号強度はあっても受信できない場合がある。直接波以外の反射波を受信してしまった場合、信号強度が高いのに受信できないという事態が発生する。尚、市販されているテレビ等の民生向け受信装置の『アンテナレベル』は信号の強度ではなく、CNRを表示している。
この他、デジタルでは、同じチャンネルの複数の電波が混信すると受信障害を発生する[14][15]。この為、複数の中継局が近接して建っている都市部では、気象条件によって映りが悪い、あるいは映らないといった現象が出やすい地域もある。この場合、降雨などの影響で、受信している中継局以外の中継局の電波が弱くなるとCNRが改善されて逆に映りがよくなる。
1953年に放送が開始されたアナログ方式のテレビジョン放送(NTSC、VHF1 - 12ch・UHF13 - 62ch)を、「電波の有効利用」を主目的にUHFチャンネルのみを使用したデジタル方式(ISDB-T)に置き換えるもの(53 - 62chは2012年まで暫定使用し、その後はテレビ放送用としては廃止)である。
チャンネル帯域はアナログ方式と同じUHF帯だが放送の方式が大きく異なるため視聴するには地上デジタル放送に対応したデジタルチューナーを搭載したテレビ受像機(テレビ)、DVDレコーダー、BDレコーダー、ハードディスクレコーダーなどの各種レコーダー、単体チューナー、パソコン類が必要である。
2003年12月1日11時より3大都市圏である東京、大阪及び名古屋のNHK3局、民放16社から放送が開始され2006年12月1日にはすべての県庁所在地を含む一部の地域で放送が開始された。国の政策により現在放送されている地上アナログテレビジョン放送は2011年7月24日までに放送を終了し停波することになっているが、放送体制の未整備などにより受信が不可能な地域もまだ存在している。このため停波予定日までにすべての地域で受信可能にすることを目標に各地で送信所・中継局の整備が進められており、整備が追い付かない一部地域向けに通信衛星による送信やIP放送といった代替手段を利用することも検討されている。終了時期については普及状況などによっては変更される可能性もあり、日本経済新聞の2007年7月10日付け朝刊は総務省が地上アナログ放送を地域によって段階的に停止することを「地上デジタル放送推進に関する検討委員会」の答申案に盛り込むと報じた。しかし総務省は2008年3月に「概ね2010年末までに従来のアナログ放送と同等のエリアを確保すること」との具体的指針を官報で告示し、関係する基本計画を変更した。朝日新聞の2007年7月24日付け朝刊は、総務省がアンテナ工事の集中や機器の品切れを防ぐために対応機器の普及率の高い地域から前倒しでアナログ放送を終了する方向に傾きつつあることを報じた。
停波予定とされている「2011年7月24日まで」の根拠は、電波法[5]が2001年7月25日に改正施行された際に地上アナログ放送の周波数を使用できる期間を施行から10年を超えない期間と定めたことによる。なお2008年10月末の放送局の再免許の際、アナログテレビ放送免許の有効期限が2011年7月24日となっている。しかし2009年1月7日には景況悪化を受け、普及率の高い地域から前倒しでアナログ放送を終了する方向に傾きつつあった方針を転換し2011年7月24日以降もケーブルテレビ網を介してアナログ放送が視聴可能になる措置を取ることが検討されることになった[6]。なお、京都府与謝野町は町営のCATVでアナログ変換された再送信の承認を総務省に求めている

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