昨日の続き。
露伴は先妻に、タバコをやめさせられ、小遣いをもらい、家を建ててもらった、ということでは、いい妻だった、と河盛は言う。
しかし、晩年のほうがいい仕事、というのは、家庭の寂しさを仕事で紛らわせたからだ、と続ける。
志賀直哉の話も出す。階下に温かい家庭があると思うと、仕事がしにくい、と。
その後を引く。
「とくに、文学をやっている人間は、いわゆる良妻賢母にかしずかれているよりも、悪妻に手を焼いているほうが、すぐれた作品を書く傾向にあります。[中略]いつも精神を緊張させているためには、細君と絶えず張りあっていることが必要なのでありましょう」
明日以降に続く。

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