2009/9/27  23:24

オーブリー&マチュリン「21」(その9)  パトリック・オブライアン

今回から第二章に入ります。今回は短いです、すみません。

その後、ジャックと息子のサム神父は約束どおりサプライズ号の艦上で和気藹々とディナーを楽しんだのですが、その後、アルゼンチンの総督にも招かれて、豪華なディナーパーティに一緒に出席しました。

一緒にと言っても、もちろん主賓は父でなく息子の方、アルゼンチンへの教皇特使、神の代理人の代理人たるサミュエル・ムピュタ神父(正式には母の名前を使っているらしい)(「パンダ」は、たぶん母親が結婚した人の名前なんでしょう)の方で、主賓席に座っているサムに比べて、ジャックはだいぶん下座でした。(ジャックとしては、文句はないどころか、とても誇らしく嬉しいことでしょうけどね。)

サムに対するこの下へも置かぬ扱いは、もちろん教皇特使だからということもあるのですけど、それ以上に、ブエノスアイレスにくすぶっていた動乱のタネを、サムが影響力のある穏健派の人々と、彼らに雇われている黒人労働者たちを説得することで見事に抑えてくれたということもあります。

で、ジャックが帰り道、マストヘッドに命令するような大声で「すばらしいディナーだったなあ!(My God, That was a damned good dinner)」と叫ぶほど豪華なご馳走がふるまわれたようですが...その内容を読んで、私はちょっと「え?」となってしまいました。

メニューのひとつとして挙げられているのが、ラプラタ河で取れた新鮮なロブスター(ふむふむ、美味しそうだ)の、苦いチョコレートのソース添え(...はあ?)と、山で獲れた70匹もの最高級のモルモット(...え?)

ロブスターにチョコレートソースも「???」ですが、モルモット(guinea pig)とは...ペルーに行った時(16巻)でもモルモットを食べる話はありましたが、てっきり非常食なのかと思っていました。総督のディナーにも出るような料理だったとは。美味しいのかなあ?

だって、モルモットってこれですよ。

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ラブリー♪

画像検索していたら、料理された写真も見つけてしまいました。まあ、ちょっとアレな写真なので、あえて見たいという方だけどうぞ。
この下は写真のみです。

2009/9/25  23:24

考えたことをただ書いているのは、ネタがないからなんですが  日常雑記

連続して政治談議(?)でスミマセン。

要するに、いくら政府が頑張っても、いくら社会が変わっても、幸せな結婚、理想的な家庭を増やすことはできないんだよね。それは個人の問題だから。

私の持論なんですが、どんな国だろうとどんな文化だろうと、カップルが末永くうまくゆく確率なんて同じぐらいで、だいたい五分五分ってところだと思う。ただ、うまくゆかない場合離婚するか、女の方がひたすら我慢して男は浮気するか、それとも、そもそも結婚前に別れちゃうことが多いか...ということに、文化的社会的差異があるだけで。

個人を大事にした政治をしているように思えるフランスだって、べつに、破局を迎えるカップルの割合を減らせているわけじゃないと思う。どんなに愛を重んじる文化だって、どんなに理想的な環境を作ってもらったって、うまくゆかないカップルはうまくゆかないのよ。それでもフランスの出生率が高いのは、「この人とうまくゆかなくなって別れることはあるかもしれないけど、それでもまあ子供を持っても大丈夫じゃない?」と思えるかどうかの違いなんだろうね。

今の若い人は、私の世代(40代)やそれより上の人と違って、衰退の時代に育ってるから、ずっと賢くて慎重で悲観的なんだろうと思う。夫婦が末永くラブラブで、夫の方に十分な収入があって...という理想的な家庭を築けると確信できない状態で子供を持つのは「無責任」だという社会だから、子供を持つ人が少ないのはむしろ当然。フルタイムで働きながら子供を育てるのがほとんど不可能なのに、フルタイムで働いた収入がなければ子供を育てるのは不可能ときているから。

だいたい、本気で「少子化対策」をするんなら、日本の歴史でたぶん最後の人口の多い年齢層である団塊ジュニア世代が出産年齢を迎える前にやらなきゃならなかったわけで、すでに縮小再生産に入ってしまっている今となっては、もうほとんど手遅れなんです。あと15年早ければ、なんとかなったのでしょうけど。ちょうど今年あたりで出産年齢から外れる団塊ジュニア世代が再生産に失敗したために「滅びの道」はすでに選択されてしまっていて、これはもう今更どうしようもない。ヨーロッパはしっかり間に合わせたので、これから若年人口増えてゆくみたいですよ。

とにかく、ほんとに子供増やそうと...いやそれはすでに不可能だから、子供の減り方のスピードを緩めたいと思うのなら、従来でいう「理想的」でない家庭の子供...婚外子、シングルペアレントの子供、ゲイカップルの養子、などを増やす、そういう状態でも「子供持っても、なんとか大丈夫!」と思わせる以外に方法はないと思う。(あともちろん移民ね。)

それには子供手当てなんかじゃ根本的解決にならなくて、保育所を増やすのはもちろん、社会全体を変えなきゃならないっていうのはまったくその通り。その通りだけど、問題はそれには時間がかかるってことなのよね。その点、「現金を渡す」っていうランボーな政策のいいところは、来年度からすぐ出来るってことなんだろうな。ぐちゃぐちゃ言っている間に、出産年齢の女性の数はもう刻一刻と減っているんだし。

私も以前は「自然減したとしても、移民を受け入れれば解決するからいいじゃん」と思っていたのですが...そんなに甘いもんじゃないと最近気づきました。それは、中国やインドや東南アジアでも、これから10年もすれば日本と同じように少子高齢化になってゆくだろうからです。日本の例からすると、経済が発展しているのに文化的に男女同権が進まない国と言うのは少子化になりやすいので、アジア全域がそうなる可能性は大。そうなりゃ、中国だってインドだって、自分の国が高齢化しているのに若者が日本に流出するのを許さないだろうしなあ。

アフリカでは子供はまだまだ増えるかもしれないけど、アフリカの人がわざわざ日本に来るだろうか?旧宗主国で文化的になじみのあるヨーロッパや、黒人文化が根付いているアメリカを選ぶんじゃないかな。なにしろ、アメリカなら、息子が大統領になるかもしれないんだから。

だいたい、外国語を覚えて外国で働こうっていうほどエネルギーのある優秀な若者が移民したがるのは、自分の国より豊かでチャンスが豊富だと思うからであって、これから10年15年先の日本が移民を受け入れたとして、来たがる人がいるかどうかが問題。むしろ、税金の重さとチャンスの少なさを嫌がって、優秀な若者はどんどん日本から出て行くだろうね。

とにかく、移民を受け入れるならほんとは今すぐやった方がいいと思うけど...たぶん根強い女性差別のせいで自然増のラストチャンスを逃したように、人種差別のせいで社会増のラストチャンスも逃すんだろうな。インドや中国の優秀な若い人は、ほとんどアメリカやヨーロッパに取られちゃって。

とにかく、どう考えてもこれから日本の人口はどんどん減っていくのは避けられないので...こんな中で「成長戦略」なんて言っているのは、山を転がり落ちていてこのままじゃ岩にぶつかって死ぬって時に「頂上を極めるにはどうしたらいいか」と言っているようなもので、今考えなきゃならないのは、どうやったら岩にぶつかっても死なない程度に転がり落ちるスピードを緩められるか、ってことなんだと思う。

今までの自民党は、根本的な問題が分かってない感じがしてました。民主党は、もしかしたらわかっているかもしれないけど、はっきり口にしていない、って感じがしますね。

あ、なんか、手遅れ手遅れとあんまり言うと、じゃあ何やってもムダなのかって話になると思うけど...そんなことはないです。地球温暖化と同じで、手遅れと言えば手遅れなんだけど、これからあらゆる手を打つことで致命的な状況を20年30年先に延ばせれば、それで大成功ってことでね。

2009/9/23  23:16

私だって県民  日常雑記

八ツ場ダムの中止の件で、どうしてもわからないことがあるのですが...

反対の理由として、「今止めた方がかえって金がかかる」って言ってますが...それって、主に都県の負担分を返還する分でしょ?返還される金額より建築費の方が本当に安いのなら、理屈から言えば、その金で、国抜きで都と各県が共同事業として建て続けることもできる、ってことじゃないの?本当に本当にダムが必要なんだったら。

もちろん、そう決める前にちゃんと県民に住民投票でもして聞いて欲しいけどね。ほんとにダムが欲しい?それとも、国に金返してもらってもっと他の事業に使って欲しい?って。

わが県の知事は、国の勝手で決められて地方の声を聞いてないっていうけど、納税者になって23年、私の払い続けている地方税の一部もダム建設の負担金になっているのよね?全然知らなかったけどさあ。県全体の知事なんだから、勝手に「地元の声」とか言わないでほしいのよねえ。

「国民」と言うと、どうも曖昧な感じになっちゃうのだけど...「私だって県民だ!私の県民税だ!」というのは、わりと実感を持って言えるんだけどなあ。

2009/9/22  20:30

エミー賞!  ジョン・スチュワート

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「The Daily Show with Jon Stewart」は、7年連続の"Outstanding Variety, music or comedy Series"(バラエティ部門作品賞)と同脚本賞を受賞。

スティーブン(The Colbert Report)は何も受賞できなくてかわいそうだったけど...



脚本賞。このクリップは受賞スピーチが入ってなくて「なんで?」と思ったのだけど...ジョンとスティーブンのハグが入っているからまあいいか。スティーブンったら、自分は受賞できなかったのに、いいやつだなあ(ほろり)。



作品賞受賞シーン。今回、デイリーショーでもおなじみのジョン・ホジマン(アップルのコマーシャルの「PC」役の人)が受賞作品紹介のアナウンスをしています。「デイリーショーはラジオの時代から数えて今年で放送76年目(ウソです)...これが900個目のエミー賞(ウソです)。いくらなんでも、もらいすぎですよね。」

本当は放送12年、エミー賞は13個目です。それでもすごいんだけどね。

エミー賞のセレモニー自体は、今年は司会のニール・パトリック・ハリス(昔「天才少年ドギー・ハウザー」に出ていた子)が非常に評判が良かったようです。ジョンも誉めてました。「アカデミー賞のスタッフがぼくのために歌を書いてくれたら、ぼくも歌ったんですが。」ははは。

YouTubeで断片的に見ただけなのですが、確かにこのオープニングナンバー(「リモコンは置いて」)は素晴らしい。



2009/9/21  22:27

オーブリー&マチュリン「21」(その8)  パトリック・オブライアン

群集の歓声に迎えられて登場した、背が高く威厳に溢れた黒人のカリスマは...もう誰だかお分かりですね。彼の名はバラク・オバマ...ではなくて(笑)、ジャックの息子のサム・パンダ神父でした。

いやしかし、私はサムが11巻1章で初めて登場した時、「ジャック・オーブリーにそっくり」な黒人青年のビジュアルがうまく想像できない、と書いたのですが...このシーンを読んでから、なんだか知らないけど、彼をビジュアライズしようとするとオバマ大統領の顔が浮かぶようになってしまって。ブエノス・アイレスの街にたちこめていた不穏な空気を一瞬にして払ってしまう、限りなくポジティブなカリスマ性、というイメージですかね。サムもオバマさんも、純粋白人と純粋アフリカ人の間の子供という点が共通しているし...オバマさんは父親がアフリカ人ですが。

オバマさんも、最近は健康保険制度改革の件で苦労しているようですが、がんばってほしいものです。

さて、サム・パンダ神父は、ジャックが南アフリカで士官候補生だった頃(in his long-legged youth - 脚の長い青年の頃、と書かれています)、たぶん16歳か17歳かそこらの頃、サリーという名の現地の女性との間にできた子供です。彼女を艦内に隠していたことが原因でジャックは平水兵に降格になったのですが、別れた時に彼女が妊娠していたことはまったく知らず、11巻で聖職者をめざす青年に育った息子が突然現れてびっくり、だったのですが...その後サムは、カトリック教会内にコネのあるスティーブンのとりなしで正式に神父になりました。(当時、非嫡出子が神父になるには特別の許可が必要だった。)

この前にサムが登場したのは16巻(Wine Dark Sea)9章で、その時はブラジルからペルーに赴任したところだったのですが、持ち前の頭の良さと勤勉さでカトリック教会内でめきめき出世しているようでした。今はペルーからアルゼンチンに赴任していて、まだ若いのに教皇特使という称号まで手に入れて、もうすっかり司教への道まっしぐらという感じ。

当時はもちろん、黒人に対する差別は今とは比べ物にならないほどあって、いくら優秀でも一般社会で黒人が出世したり、広く人々の尊敬を集める地位についたりすることはまずあり得なかったのですが...それでも聖職者というのは「特別」だったのですよね。お金や世俗的な権力とは無縁と見られていたからでしょうか。むしろ教会としても、人口の多くを占める黒人層にアピールするために、黒人のサムを取り立てているということもあるようです。白人の信徒とっても、聖職者であれば、黒人が上に立つことにも抵抗がないようです。

もちろん、本人の資質も出世の大きな理由でしょうけど。この、天性のリーダーシップっていうのは、やっぱりジャックの血筋なのかなー。

サム・パンダ神父は、集まってきた漁船たちに向って聖水をふりまき、祝福の仕草をしました。儀式が終わると、彼はボートでまっすぐサプライズ号に来て、父親の前にひざまずいて足に触れる挨拶をしました。「サム、変わってないな。」ジャックは感動の面持ちでそう言って、夕食を一緒にする約束をすると、なんとか泣き出さずに威厳のある顔を保っていられる間に艦長室に駆け込むのでした。

さて、この一部始終は、もちろん周囲の漁船たちから見られていたので...サプライズ号は「罰当たりな新教徒たちのけしからん船」から、「教皇特使様がキャプテンに挨拶したすごい船」に一瞬にしてランクアップしたのでした。



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