2008/1/7  22:33

年末に観た映画  映画感想 〜2007年

その名にちなんで(シャンテ・シネ)☆☆1/2

インドからアメリカに移民した家族の30年の物語。...なのだけどこの家族、夫婦は円満、経済的にも順調、子供たちは優秀で、特にドラマチックな展開はないのよね。節目節目でありがちな小さな問題は生じるけど、それもちょっと無理に入れた感があって...まあ、NHKの「朝の連続テレビ小説」の総集編を見ているような感じ。

これが日本、または映画などで馴染みのある文化の話なら、ひたすら退屈だっただろうけど、目新しくエキゾチックなインドの伝統行事や風物・文化がそこここにちりばめられていて、それを眺めているだけで、なんとか退屈しないですみました。


マリー・アントワネット(DVD鑑賞)☆☆1/2

「神はどうして、私という平凡な女にふさわしい平凡な運命を与えて下さらなかったのか...」と、名作「ベルサイユのばら」のマリー・アントワネットは嘆いていたけど、この映画の彼女は、まさに平凡そのものに見える。

実力もないのに重要な役職に抜擢され、責任ある仕事を任されたはいいけど、「ちゃんとできていない」と叱られるばかりで、具体的に何をどうすればいいのかは誰も教えてくれないの途方に暮れている、普通の女の子。

その気のない夫をその気にさせてぼこぼこ子供をこしらえろだの、権謀術数渦巻く宮廷をうまく泳ぎ回って有力な人物を味方につけろだの、そんな難しいことを14歳のフツーの小娘にやらせるつもりなら、具体的にどうすればいいか、もっと手取り足取り教えておくべきだったと思う。マリア・テレジアは自分が天才なもんだから、「私の娘ならできる」と思っちゃったのかしら。

とまあ、そういう点では面白かったのですが...映画全体の印象は、一言「頭がボーっとしてくるほど退屈」。もちろん、ストーリーよりドレスや靴や調度品やスイーツが見たくてこの映画をレンタルしたのだし、そういうものは期待通りとても可愛く美しかったのですが...やっぱり、それだけじゃすぐ飽きてしまうのよね。

でも、この「頭がボーっとするほど退屈」というのは、ひょっとしてマリー・アントワネット自身の感覚だったのかもしれない、とも思いました。「ベルサイユのばら」はドラマチックで面白いけれど、あれは池田理代子のストーリーテリングが優れているから面白いのであって、王妃自身の人生は、最後の最後の波乱までは、この映画のような豪華できらびやかで空虚な退屈が二十数年間延々と...もう退屈で、退屈で、あ〜あ(欠伸)

たかだか二時間退屈なぐらいで文句いっちゃいけないのかもね(笑)。

蛇足:朝のセレモニーの繰り返しにかぶせてヴィヴァルディを使うのは、「オール・ザット・ジャズ」の真似ですね。"It's showtime, folks!"

2007/12/25  23:08

Amazing Grace ☆☆☆☆  映画感想 〜2007年

面白かったです。普通に映画としてよく出来ているというのと、「オーブリー&マチュリン」や「ホーンブロワー」との関連する部分が満載というのと、ダブルで楽しめました。

話としてあまりに端正にまとまっているので、かなり事実を変えている部分があるんだろうなと思っていたのですが...ウィルバーフォースの生涯について読んでみると、ほとんどこの映画そのまんまなんですね。ごく些細な改変(従兄のヘンリー夫妻がバーバラと縁結びしたという事実はないとか、フォックス議員は1807年の法案成立時にはもう亡くなっていたとか)はあるようですが。

ウィルバーフォースとジョン・ニュートン(Amazing Graceの作詞者)の関係なんか、あんまり出来すぎていててっきり映画の創作かと思ったのですが、まぎれもない事実のようです。

事実がここまで伝記映画的だと、かえって伝記映画が作りにくかったんじゃないか、なんて余計なお世話な想像もしてしまいます(笑)。

前にラッフルズのことを調べた時も思ったのですが...この時代の英国人って、とてつもない人が多いですね。ジャックやスティーブンのとてつもないキャラづけも、あながち現実離れしてるわけじゃないんじゃないか、と思えてくるほどに。

一見、ただのいい人のようにも思えるウィルバーフォースの、どこがとてつもないかと言えば、ここまで徹底した理想主義者でありながら、あくまで当時のシステムの中の政治家であり続け、しかも、当初の理想をいささかも揺るがすことがなかったということです。つまり「革命だ!」と叫んでフランスに渡ったりもせず、かといって、否決され続ける奴隷制廃止法案を諦めて「現実的」な方向に走って普通の政治家になったりすることもなかったという…

政治において理想を持ち続けることも大切なら、理想を実践するにあたって政治的であることも大事ということですね。

ヨアン・グリフィズがまた、こういう理想主義的若者の役に合っているのですよね。ストレス性腸炎もちで繊細そうなところ、繊細で神経質でありながら妙に大胆で変人なところも、ホーンブロワーと共通するところを感じます。

ウィルバーフォース氏は船酔い体質だったに違いない。(いや、なんとなく)

と、ここまでが普通の(?)映画感想。次回は「オーブリー&マチュリン」とのカラミについて。

2007/11/26  22:07

ウェイトレス〜おいしい人生のつくりかた ☆☆☆1/2  映画感想 〜2007年

「おいしい人生のつくりかた」と言うより、「ほろ苦い人生の生きかた」という映画でした。

このヒロインを、何のかんの批判することはできるだろうけど…いや、私だって特に褒めようとは思わないけど…なんかね、何をどう気をつけていようと、どんなに正しい選択をしようと心がけていても、うっかりこういう人生にハマってしまう可能性は、ホント、女性なら誰にでもあるんじゃないかと思ってしまうのよね。間違いのモトは、選択肢の少なさにあるんだよな多分。

で、大事なのは、ハマってしまった後にどうリカバーするか、ということなので。ハタから見てるとこのヒロイン、「お金が貯まったら」とか「パイ・コンテストで優勝したら」とか言ってないで、とにかくまず夫と別れることが先決だろうと思うのだけど…

でも彼女は、実際には怯え切ってて身動きが取れない状態なのよね。恐怖に足がすくんで動けない人に向かって「怖いのなら早く逃げればいいのに、ばかじゃないの」と言っても始まらないわけで。でも、彼女は自分が怯えていることを、心の中でも完全には認めていない。それが問題なのかも。

実際には、それほどには(警察や病院に行くほどには)殴られていなくても、「逆らったら殴られるかもしれない」「離婚するなんて言い出したら殺されるかもしれない」と常に感じているだけで、怯えてしまうには十分だと思う。またそれが、それほど突飛な想像というわけじゃないしあの夫は。

ヒロインが妊娠して、幸せ気分になったり、お腹の子に無条件の愛情を感じたりしないのも当然のことで、危機的状況で妊娠したら、野生動物だって警戒レベルが上がるだけで、幸せを感じたりしないと思う。これも一種の生存本能なのね。

本能の話をするならば…警戒レベルが上がるとなぜか性欲がわくっていうの、女でもそうなのね。まあ、ジェナの場合は妊娠のせいかもしれないけど。

しかし、女性向きのラブコメディ(一応)だというのに、こんなにミもフタもない語り方をしていいんだろうか(笑)。

<以下ネタバレ>
続きを読む

2007/11/25  22:56

ボーン・アルティメイタム ☆☆☆1/2  映画感想 〜2007年

マット・デイモンが「世界で最もセクシーな男」(ピープル誌選出)と言われたら、悪いけど「そうかなあ?」と思ってしまうけど…ジェイソン・ボーンがここ1〜2年の映画で「最もセクシーなキャラクター」だと言われたら、納得するかも。

この役を演じていなければ、マットが選ばれることはなかったと思うけど…それはかえって、誇っていいことだと思う。俳優としては、「もともと立ってるだけでセクシー」より、「地は別にセクシーじゃないのに、セクシーなキャラクターを作り上げた」という方がずっと凄いことなのだから。

「アイデンティティ」の時はさほどにも思わなかったけれど、「スプレマシー」「アルティメイタム」と、あくまでストーリーを通じて、行動を通じてちょっとずつ積み上げられてきた「(原作とは違う)映画版の、マット・デイモンのジェイソン・ボーン」がここへきて花開いた感じ。「はじめにキャラ設定ありき」という感じの最近のヒット映画(海賊のアレとか)とは対照的です。

激しい格闘シーンやカーチェイスの真っ最中にも、つい頭の中でキャラの過去とかぼんやり考察してしまって細かい動きを見逃してしまう私は、アクション・シーンを語るには著しく不適任だと自覚しているのですが…

この映画のアクション、主人公が強すぎて現実離れしている度合いは「007」や「ダイ・ハード4.0」とそう変わらないのに、それに比べるとなんとなく現実感や痛みが感じられるのは…やっぱり編集や演出の腕なんでしょうか。

2007/11/24  22:31

ディスタービア ☆☆☆1/2  映画感想 〜2007年

前回シャイア・ラブーフ君目当てで行った映画(トランスフォーマー)が当たりだったので、今回も期待して行ったら、また当たりでした。

話の大筋は、言われているようにヒッチコックの名作「裏窓」とほとんど同じなのですが…当時と現代とで違うのは、プロのカメラマンじゃないそこらのガキでも、デジタルビデオカメラだのコンピュータの画像処理ソフトだの暗視双眼鏡だの普通に持っていることですね。(…いや、暗視双眼鏡は持ってないだろ普通。)それと、ジェームズ・スチュアートがグレース・ケリーを恋人にしているほどの大人のいい男だったのにひきかえ、こっちの主人公はモテない17歳だということ。

17歳で男なんで、当然、かなり馬鹿です。しかし、馬鹿なわりには目ざとくていろんなことに気づくし、アイデア豊富でいろいろ変なこと思いつくし、おまけにしつこい。危険な組み合わせの性格だわ。でも、馬鹿なわりにはそれほどにはイライラさせられないのは、やっぱり若くてかわいいからでしょうかね(<オバサン発言)。

根はいい子なんだけどいろいろあって屈折している主人公、お調子者でお人よしの親友(名前はロニー君。いい味出してます)、頭が良くて冒険好きの女の子という「ハリポタ布陣」の3人が覗く…いや張り込みする相手は、ほどよく不気味な隣人のデビッド・モース。

<以下ネタバレ>

続きを読む



teacup.ブログ “AutoPage”
AutoPage最新お知らせ