前号(6月4日号)でご紹介した「日本の教育を考える10人委員会」の調
査『義務教育に関する国民アンケート調査』の続きです。
【所得格差と教育格差の関係……学力の二極化が進んでいると答えた人対象】
所得の格差によって、子どもの学力に影響がでる 66.4%
所得の格差と子どもの学力は関係ない 26.5%
分からない 4.3%
その他 2.9%
3分の2が所得格差と学力との相関関係を認めています。これはわれわれ
塾関係者の実感でもありますが、さらにいえば東大の苅谷剛彦氏のいう「家
庭の文化資本の差」が学力に影響するというのが正確という気がします。文
化資本にはもちろん、所得も含まれています。
【受けさせたい教育別にみた所得格差と教育格差の関係……「所得の格差に
よって、子どもの学力に影響が出る」と答えた人の割合】
中学校まで 71.9%
高等学校まで 53.7%
短期大学まで 58.5%
専門学校まで 58.9%
大学まで 67.6%
大学院まで 71.5%
「中学校まで」を除き、高い教育を受けさせたいと考えている人ほど両者の
相関関係を強く意識していることがわかります。
これをわれわれのビジネスに関連づけて考えますと、高い教育を受けさせ
たいと考えている人ほど、われわれにとって好ましい顧客になるという意味
ですね。
保護者説明会や個人面談で、小学生の保護者だから中学校のこと、中学生
の保護者だから高校のことだけ話せばいいや、という態度ではいけないこと
がわかります。機会があるごとにしっかり、先々のこともお話しする必要が
あるのではないでしょうか。
【今後の教育費用について、どの程度心配か…小中の子どもが1人以上】
かなり心配 43.6%
やや心配 45.7%
あまり心配なし 8.9%
まったく心配なし 1.6%
その他 0.2%
小中学校に子どもを通わせている保護者のうち、89.3%が今後の教育費用
のことを心配しています。
説明会を行うさいには、学力のことだけでなく上級校に進学させたさいに
必要となる費用等についてもお話ししてあげてください。銀行の方などに頼
んで教育ローンについてお話ししてもらうという手もあります。
【都道府県別にみた教育費用に対する心配の程度……「あまり心配ない」+
「まったく心配ない」の割合】
島根 19.3%
宮崎 19.8
青森 22.8
佐賀 22.8
新潟 24.2
福島 24.2
広島 24.8
鳥取 25.6
愛媛 26.6
岩手 26.9
山梨 27.2
福井 27.3
高知 27.8
長野 27.9
山形 28.3
沖縄 28.4
長崎 28.7
和歌山 28.9
秋田 29.4
福岡 29.4
岐阜 30.0
三重 30.0
鹿児島 30.4
群馬 31.4
宮城 31.5
北海道 31.8
栃木 31.9
山口 33.0
岡山 33.7
静岡 33.9
愛知 34.3
大阪 34.6
京都 34.9
茨城 35.2
徳島 35.5
兵庫 35.5
神奈川 36.0
奈良 36.3
埼玉 37.1
石川 37.2
千葉 37.4
熊本 37.6
大分 38.0
香川 38.0
東京 38.4
滋賀 39.6
富山 45.2
同じ項目(「あまり心配ない」+「まったく心配ない」)を受けさせたい
教育別にみると
中学校まで 39.6%
高等学校まで 35.4%
短期大学まで 26.7%
専門学校まで 30.1%
大学まで 32.8%
大学院まで 38.3%
と、中学校までや高校まででいいと考えているヒトもあまり心配していま
せん。
この数値と都道府県別の大学進学率とを照らし合わせてみると、面白い数
字が見えてくるのではないでしょうか。