ここでは、平成24年度より実施される「高等学校学習指導要領について、従来の「学習指導要領」と比較して、どのような変更がなされたのかを見てみたいと思います。
本稿では、新学習指導要領で、数学科の必履修科目がどのように変わったのかを見てみます。
※科目名の後にある括弧内にある数字はその科目の標準単位数です。
【必履修科目の変更点】
従前の学習指導要領では必履修科目として、「数学I」(3)か「数学基礎」(2)のいずれかを選択して履修することとされていました。
新しい学習指導要領では、
「数学I」(3)が全高校生の共通必履修科目として定められました。
<解説>
これはそのままですね(^^ゞ
従来から「数学基礎」の開講は少ないといわれていましたから、妥当な対応ではないかと思います。
【共通必履修科目の減単位(特例)】
総則第3款の1(1)によれば、共通必履修科目である「数学I」は「生徒の実態および専門科目の特色等を考慮し、特に必要がある場合には2単位とすることができる」とあります。
但し、この特例を用いる場合でも、「数学I」で定められている大項目「数と式」「図形と計量」「二次関数」「データの分析」及び「課題学習」はすべて扱わないといけないとされています(総則第5款の2(4)「各科目の内容の取扱い」)。
<解説>
おそらく従来「数学基礎」を開講していた学校に対する措置と思われます。
ただ、正直なところ、新しい「数学I」は内容が増えているため、2単位ですべての内容を指導することはほぼ不可能(^^ゞと考えられますから、この特例はおそらくあまり使われないでしょう。
【義務教育段階での学習内容の確実な定着】
総則第5款の3(3)によれば、学校や生徒の実態に応じて、必要がある場合、義務教育段階での学習内容の確実な定着を図るため
・そのための学習機会を設ける
・高校の必履修科目の内容を十分に習得させるため、標準単位数より増単する
・高校の必履修科目を履修する前に義務教育段階のことを扱う学校設定科目を置くことを認める
とあります。
<解説>
これは、いわゆる進学校ではあまり縁がない内容ですが、きわめて重要なことと思います。
また、関連して総則第2款の4「学校設定科目」を参照すると、「中学校数学の内容の習熟と高等学校数学への導入を目的とする科目(例:高校数学入門)を設けたりすることが考えられる」とあります。
つまり、
「高校で中学校の数学の内容を指導することを場合によっては認める」ということです。
従来の学習指導要領で、「義務教育段階では、全員が学習内容を習得することが出来るように内容を精選した」ハズなのですが、それが絵に描いた餅(^^ゞであったことは周知のことと思います。
当然、中学校数学の基本的なことが出来ていないと高校数学は理解できないわけで、現実として学校現場では、このような対応が取られていたと聞いています。
それを新しい学習指導要領では、公にそれらの措置を追認したということでしょう。
【まとめ】
このように、今回の学習指導要領は、従来の指導要領が「絵に描いた餅」だったのに比べると、色々な部分で「現実路線」に改正されたことが分かります。
特に、別稿でも言及しましたが、新しい学習指導要領における数学科の目標として「体系的に」という文言が新たに加わっていましたが、この一つの表れとして「中学校と高校の数学の接続」が表れているのだと思います。
このような学習指導要領が、「検定教科書」にどのように反映されていくのか、これも近いうちに研究したいと思っています。
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本稿で参考にした文献は以下のものです。

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