2009/3/31
「君には魔物の声が聴こえない」
餓えている君の瞳には
乾ききった今の大地より
冷たい死の寝床が欲しいの?
数秒しか映さないテレビカメラの列
とぎれとぎれの支援
遠くの山にいた君が
温かさを求めて這ってきたのに
好奇心と同情の刃が
君の消え入りそうな誇りに傷をつけた
差し出されたビスケットに首を振り
集落の中にまぎれこんだ君は
朝には無数の屍と共に投げられていた
君の欲しかったものは
君だけに向けられる関心と
君の素晴しい名前を呼ぶ強い保護者
あげられなくてごめんね
大勢の餓えに少ない愛が
平等なんて言葉に邪魔をされ
抱きしめる勇気なんて
本当はこれっぽっちもなかったんだよ
助けを求める多くの手に
自分を奪われる恐ればかりもっていたんだ
冷えと困窮の何もない国に生まれ
子供に何も与えられない親のあきらめ
役立たずの涙の絶望に
心はすでに食い荒らされ去っていく大人
飢餓という太った魔物は
死という救いを容易に繰り出し
やさしく肩に手を置いて
親しげに名前を呼んで来るから
ほら そこにも あそこにも・・・
尊厳のない世界で人は生きれない
エアコン 色とりどりのパッケージ
日々捨てられていく食べ物や物資
無駄に消費される水や電気
生きていくために必要でない遊具
豊かさに溺れて自分の欲しい物がわからない
社会に関心を示されない人々
孤独という心の餓えの
空虚な腐臭を嗅ぎ付けて
ほら そこにも あそこにも・・・
肥えた魔物が狙っている
つまらない灰色の日常よりも
極彩色の死がいつか君を捉える時・・・

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