2009/5/21
「ハッピー ラヴ ツリー」
ねじくれて狂暴でまがまがしいあたし
誰も近づけなかった乏しい根元に
貴方はいつのまにか笑いながらやってきて
「妖精がいるよ。」
と コップの水をまいてくれた
あたしはその時はじめて
どんなにか水を求めていた事に気づいたの
ひからびてもげそうだった根っこ
地面をみると小川があり
それはただ昔からそこにあったのだと思った
受け取る事を忘れていたあたし
それから毎日周りを見渡すようになった
笑顔の綺麗な貴方が声をかけてくれないかと
でも突然貴方はタンポポの綿毛のように
消えてしまったんだわ
暗闇の中で目をつぶって怯えていたあたし
誰も信じないささくれた幹に
貴方はいつのまにかはしごをかけて
「かわいそうに。」
と 手を添えてなでてくれた
あたしはその時はじめて
どんなにか光を求めていた事に気づいたの
しなびてすかすかの葉っぱ
空を見るとぬくもりがあり
それはただ昔からそこにあったのだと思った
受け取る事を忘れていたあたし
それから毎朝腕を伸ばし広げるようになった
声の美しい貴方が葉陰で休んでくれないかと
でも突然貴方は自分を暖める事に必死で
振り返らなかったんだわ
頑なに縮こまり動けなかったあたし
全てを受け取る事を拒否していた枝に
貴方はいつのまにかよじのぼり
「孤独だったね。」
と 蕾にやさしくささやいてくれた
あたしはその時はじめて
どんなにか友達を求めていた事に気づいたの
虫も寄りつかなかったお花
風がそよぐとひろがる香り
それはただ昔からそこにあったのだと思った
与える事を忘れていたあたし
それから満開に花と実をつけるようになった
涙の清らかな貴方がその手で摘んでくれないかと
でも貴方はただ祝福して眺めて
一緒にたたずんでくれるだけだったわ

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