700年のあいだ 木はそこに在った
山もそこに在った
存在という有なる流れよ
命というものは枯れ果てても
また地球のどこかで派生していく
終わりも始りもなく ただそこに在るもの
数多の偶然は必然ともいうが
一度も損なわれずにそこに在るもの
1千年のあいだ 梢を揺さぶり
根を揺るがして災害は遠のいた
明日には倒れてしまうかもしれないが
今 ここにこうして在るものは
静けさの中に満々とする命を弾いて
悠々とした枝葉を伸びやかに指揮しているだけなのだ
今 ここに在る存在という証は
生かしてくれたもの 活かしてくれた時間を
深遠な憧憬と奥深さを孕んで
今 わたしをも抱き続け
森の高さに押し上げてくれる
人という災いは行く道を閉ざすものに
容赦もなく切りつける
邪魔者とのけぞり憤怒の火を放ち
征服の果てに安定を得たと
足元を見ずに満足するもの
それでも 鎮守の尊厳に平伏し
小さな命の清さに心打たれ
静かに手をあわせ添うものも在る
そうした厳かな祈りが
森を残し 木を這わせ
見上げるほどの神々しい日陰を
自分達の上におとしたのだ
湿った大地の匂いが豊かな命を伝え
繰り返す水音や水しぶきが
悠久なる命の唄を囁く
木々を揺らす爽やかな風に
命の存続への宴がはっきりと刻まれる
今 太古から命は栄えて
今 こうして感じられるもの
今 ここに在りて命をつかんでいるもの
宙より地球を見下ろせば
地球という静まりの中に
永久という命の果てない慟哭と歓喜が
永遠のサイクルの中で煌いているのが見えるだろう
今 ここにわたしはいる
今 ここにわたしは在る
命は果てもなく終わりもなくずっと続いていくものだから

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