11月11日から「都市高速鉄道第10号線京王電鉄京王線(笹塚駅〜つつじヶ丘駅間)の連続立体交差化・複々線化および関連側道計画」の素案の説明会が該当区間の近隣公立小・中学校で行われています。
ここでは、京王線の立体交差化ならびに複々線化についての説明が行われました。
1.京王線の立体化
もともとこの事業は、昭和44年に笹塚〜調布間を高架方式による複々線として計画されていたが、これまで立体化されたのは、笹塚駅周辺と八幡山駅周辺(高架方式)のみで、その他の区間は特に変化はしていない。しかし現状としては以下の問題がある。
・京王線の笹塚〜つつじヶ丘間において、40分以上閉まっている踏切が25箇所あり、そのうちの21箇所は50分遮断されている。このため、地域生活に大きな支障(街の分断、緊急車両の進入etc)が出ている。
→これらを解消するために、長時間遮断される踏切を解消するという形で話が進められる。
2.京王線の複々線化
京王線の複々線化については様々な議論がこれまで成されてきた。一般的によく言われるのが、「今後は少子化による利用者の減少が見込まれるために、複々線化をしてまで輸送力を増強しなくても良いのでは…」という意見だが、実際今後の利用者の動向予測は今とあまり変わらず横ばいだという。それは、東京都の人口予想をベースにしているためである。
もし仮に横ばいだとすると、現在京王線で最も混雑率の高いとされている下高井戸〜明大前の169%があまり変わらず推移することになる。そうなると、国土交通省の掲げる努力目標の150%には、何らかの対策をしないと届かないということもある。また京王線は近隣の競合路線である中央線や小田急線との競争優位に立つためにも、スムーズな移動手段としての役割を果たす使命がある。そのために複々線化は必要とのことだ。
3.具体的な方法
京王線の複々線は高架方式、地下方式、高架と地下を併用する併用方式の3案で検討が進められてきた。どの方式が良いかを考える上で、地形的条件、計画的条件、事業的条件の3条件から検討されたという。
そのうち高架方式と地下方式は欠点があるという。高架方式は拡幅範囲が広いため、用地の買収などが困難であるとのこと。また地下方式は既存の八幡山駅の施設を利用する点から、3箇所の踏切が迂回必要箇所になってしまうとのことだ。
何より説明会でもやや不透明な部分ではあったが、試算では地下方式は3000億円、高架方式では2200億円かかるとのことで、地下方式はあまりメリットが無いようである。
これらを踏まえて、高架と地下を組み合わせた併用方式が採用される見込みになりそうである。もっともまずは在来区間を高架方式とし、その後に線増線という形で地下トンネルを掘っていくとのことである。
4.複々線化による変更
今回の素案に盛り込まれていた中で興味深かったのが、以下の点である。
・明大前駅と千歳烏山駅の待避線増設である。この案によると、現在2面2線の明大前駅と千歳烏山駅は2面4線の駅となり、緩急接続の可能な駅にするとのことである。特に明大前駅では都営新宿線直通列車と速達列車である特急などが接続する構想があるという。
・また高架化などに伴い、従来計画範囲だった部分が縮小・拡大されていた。詳細地図を見るまで気づかなかったが、鉄道付属街路の建設などが当初の計画よりも場所によっては縮小したり拡大したりしている。これによっては沿線住民からの反発も起きるのではないかと思われる。
5.完成までの構想
今後はこの都市計画素案と住民からの意見を基に都市計画案が作られていく予定だそうで、順調に行けば、事業認可取得が平成25年度、事業着手が平成27〜28年度、完成は平成37〜38年度とのことだ。
6.終わりに
今回説明会を聴いて思ったのは、やはり住む家の移転のことが気になったり、高架による日照権の問題など、今より変わることを望んでいない人が多いということを痛感した。正直、複々線の話がここまで具体化していることにも驚いたが、それを実行をしようという動きにも驚かされた。私はこれまでにこのような住民説明会というものには参加したことがなかったので、どんなものかと思いましたが、やはり参加する人たちの熱い気持ちと不安な気持ちという独特な雰囲気が会場を渦巻いていました。
計画の説明にしても、都や区の形式的な説明があったり、また質疑応答の場面でも、とある団体を代表して自分の主張を押し通すためだけに来たんじゃないかと思う人もいたのが印象的でした。
今後沿線各地の反応を受け、この計画がどうなっていくのか逐一お届けしていきたいと思います。

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