ダヴィンチという雑誌があります。毎月一回出て、色々な本を紹介している。新刊ばかりではなく、特集によっては古い本にもスポットを当てたりしています。私は時々買って読むのですが、読書家の友達曰く「読みたい本が沢山になってしまうから、ダヴィンチはあまり読まないようにしているの

」ということで、その気持ちもとても分かります(^-^;
今回読んだ本は、いつかのダヴィンチに紹介されていた本でした。内容はすっかり忘れてしまったのですが「読んでおきたいな」と思ったようで、その日すぐ図書館に予約を入れています。紹介文のどんなところに惹かれたのかな…?すっかり忘れてしまった。「読むほどかなあ」と思った記述はチョロチョロ覚えているのですが「読もう!」と思った動機はすっかり霧の中。でも、縁があったのか借りて読むことが出来ました。
・凍りのくじら/辻村深月・著(講談社ノベルス)
ストーリー
父が失踪してから、家族をひとりで支えてきた高校生。思い掛けず現れた青年に彼女の心は癒されるが、昔の恋人によって事態は思わぬ方向へ…。家族と大切な人との繋がりを鋭い感性で描く新趣向ファンタジー。
凄い、繊細な感性を持った作家だなあ!と感嘆しました。私はどちらかというとアナーキーだったり、奇をてらった、要はかっとんでいるような、わけのわからぬものに惹かれてしまう傾向があり、このような繊細な感性で織り成された物語というものをあまり…読んだことがなかった気もするのですが、久しぶりだったせいもあってグッと咽喉につまるものがありました。
色々考えさせられた部分もあるのですが、それでもまだ私はこの作家を伊坂幸太郎氏のように「好きだ!」と言えない。根本的な好みではないのが一つと、緻密すぎる心理描写が私にとってはちょっと息苦しく…読んでいて時々辛かった。理屈ではなく、私の心惹かれる文学とはちょっと離れている気がします。
それでも、これは読んで本当に良かった!と思います。胸がつまり、息苦しくなりつつも、凄く感動したのも確かで、機会を作って他の作品も読みたいと思っています。主要登場人物の一人に稀にみる嫌悪感を抱き、殆ど鳥肌を立てながら読んだ箇所もあり、主人公の女子高生の人を小馬鹿にする態度(本人に自覚はある)に辟易し「こういう人とは私はきっと友達にはなれないなあ」と思ったり、マイナスの要素を抱えながら読んだにも関わらず、グッときて時に涙ぐみ、最後のトラップに見事はまり「えー!」と驚いたり(少々納得できない気もしますが…

気になる箇所は、もう一度読み返してみようと思ってます)インパクトのある作品でした。
好きな部類ではないハズなのに、それでも凄いなあと思ってしまった。素直に人に勧めるのに躊躇しながらも、一度読むのもいいかもしれない!と確実に思う−そんな不思議な感慨を抱かされた物語でした。
とても静かな表紙。
私はブルー(紺系)が好きなので
この表紙はとても気に入っています。