この本との出会いは、何かを調べようとてネット内をウロウロしていたところ知らない方のブログに行き当たり「へえ〜こんな本もあるのか〜」と気付いたことにあります。
ということで早速借りてきました。
・キサトア/小路幸也・著(理論社)
ストーリー
色を失くした僕と、時間を失くした妹たちは、不思議な伝説が残る海辺の町で暮らしていた。12才の少年アーチの視線で、家族や心逞しき町の人々との春夏秋冬を描く。僕らの心の中にある、世界のほとりの物語。
最初、不思議な世界観を持ってる雰囲気にかの「いしいしんじ」氏を重ね合わせたりしましたが、やはり、文章とは個性が出るものですので、最後まで読み終えて「違うな」と思いました。不思議な世界を作るにも、いしい氏の方は説明を省略する感じでグリグリ進めていくのに対し、小路氏は読者に優しく、分かりやすく進めていってくれるのでこちらの方が読みやすいかもしれません。でも、私の好みからするといしい氏の方が好きなのですが、それは個人的な問題ですので、ご参考程度に留めて頂けたらと思います(^-^;
やわらかく、やさしい人々の住む町に暮らす、ちょっと変わった能力を持ちそれを生業にしている父を持つ主人公とその双子の妹たち。ヤングアダルトに分類されるだけあって、明るく爽やかでソフトな青春群像にも思えました。眩しい〜って感じ。いい話だと思います。
ただ、私にはちょっと物足りなかった。グイグイ引っ張っていくような魅力をそれほど感じずに最後までいってしまいました。登場人物にアクがないので、そういうものにはあまり惹かれない性質があるのかもしれません。
でも、読んで良かった。こういう世界観は想像力がないとなかなか作れないと思います。そのセンスはなかなか素敵です。それまで全く知らなかった作家との出会いは毎回ドキドキするものですが、読んで良かったと思える本と出会えるとこれからの活力になります