「『独習Java(第1版)』(ジョゼフ・オニール)」
コンピュータ・インターネット
『独習Java(第1版)』
ジョゼフ・オニール (著)
トップスタジオ (翻訳)
武藤 健志 (監修)
1999年
翔泳社
☆☆☆
初学者を対象としたJava入門。既に第4版まで版を重ねている定番中の定番。この初版が出版されたのはちょうど10年前の1999年で、Java1.1に準拠した内容となっている(付属CD-ROMに収められているのはJava1.2だが、本書に掲載されているプログラム例の動作は確認されている)。
本書のコンセプトはタイトル通り「独習」で(原書のタイトルは『Teach Yourself Java』)、非常に多くのプログラム例が掲載されている(分量だけなら解説よりも多いくらい)。読者は、解説を読み、プログラム例と(紙面に示されている)その実行結果を見比べ、練習問題や章末問題に取り組むことを通して、Javaプログラミングを学んでいく。
Java入門書として取り上げるべきトピックは全て取り上げ、それぞれについて初学者向けにジックリと解説している。そのため、本書のボリュームは相当なもの。この本で独習するには、それ相応の辛抱強さが求められるだろう。
正直言って、他のプログラミング言語経験のないJava初心者がこの本を通してオブジェクト指向プログラミングの概念を学ぶのは難しいのではないか、と思う。そう思う理由は、まず、あまりに分量があって、初学者にはかえってJavaの全体像が見えづらくなってしまっていること。第2に、本書には、独習の途上で自らの成長を実感できるような仕掛けが用意されていないため、達成感を得られずに道半ばにして挫折してしまう読者が多そうなこと。第3に、掲載されているプログラム例が、解説を補うことだけを目的にした非常に抽象的なものばかりで、実際のプログラミングにおいてどのように使われるべきものなのか、初学者には想像しづらいだろうこと。最後に、本書が翻訳書であること。
日本人著者の書くプログラミング入門書がイラストを多用し読者にイメージを伝えようとするのに対し、欧米の入門書では言葉を尽くして考え方や仕組みを伝えようとする傾向があるように思う。ところが、英語にも日本語にもそれぞれの「自然な思考の流れ」というものがあり、英語であれば思考の流れを追いやすいわかりやすい表現であっても、日本語に翻訳した途端に非常にわかりにくい文章になってしまうことは多々ある。本書の翻訳がヒドいとは思わないが、最初から日本語で書いたとしたなら絶対にこんな表現はしなかっただろう、と思うような表現にたびたび出くわす。それが本書の読みにくさ、わかりにくさにつながってしまっているのではないかと思う。
Java1.6に準拠した第4版が2008年に出版されている。
本文520ページ程度。

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