タイトル、英語の題名は、Art of choosingなので、科学という訳はちょっと違うかなあ。。読んだ印象としては、「選択の哲学」とか「選択の神秘」の方がイメージに近い。著者は、彼女が行った様々なデータをただ示すのではなく、読者一人一人が人生において選択の決断を下す時に、どうしたらベターなのかという示唆を与えてくれている。だから、その意味で、「科学」ではなくて「哲学」かなと思う。一方、彼女は「選択とは、神秘の並外れた美しさが備わっている」と語っているので、Artというのは、神秘と言い換えてもいいのではないかと思った。
それはともかく・・・
この本を読むきっかけは、沢木耕太郎の「ポーカーフェース」だった。その中で、選択の自由がないと人間は長生きできない、とか、しかし選択の数が多すぎると人は興味をなくすといったエピソードが取上げられていて気になっていたところ、たまたま入った本屋で山積みされており、これは縁があったなと思って購入した次第。
その直感は正しかった。出てくるデータやエピソード自体もとても面白いし、彼女が与えてくれるアドバイスもまた、とても参考になるものだと思った。
選択の自由が普遍的な欲求であっても、選択した結果がどれもネガティブなものにしかならない場合は自分で選択しない方が懸命であるという人生アドバイスは、そのうち参考にしなければならない時がくるかもしれない。
ついつい人が選んでいるものと違うものを選びたくなってしまうというのも人間の本性のようだが(人間は、他の人から、自分は他の人とは違う、でも、違いすぎないと見られたいと思っている)、ついつい他の人が頼んでいるビールと変えて注文したりすると、結局、後悔することになるという。(飲みたくないビールを飲むはめに陥り、味に満足できない)
就職活動は、考えに考えて活動したグループよりも、直感で決めたグループの方が、実際に働き始めてからの満足度が高いという。熟慮を重ねている間にバイアスがかかってしまうという問題点があるからで、実は人生で大切な決断をする時には客観的な考慮だけではうまくいかないこともあるかもしれない。。。
など、様々なデータ、アドバイスがあり、この本によって、人間の普遍的な洞察が深まるだけでなく、これらの知識をベースに自分の人生の選択がもたらすストレスも軽減されることになるだろうと思う。
というわけで、激おすすめ本です。★★★★★

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