久しぶりに吹奏楽で演奏会に出演することになったのであるが、なんと曲目が「インヴィクタ序曲」なのである(他に「ブライアンの休日」と「松田聖子ヒットメドレー」と、奏者の年齢構成がわかる選曲!)。
「インヴィクタ序曲」は、吹奏楽の世界では超有名でちょっとB級な作曲家であるJ.スウェアリンジェンの名曲(迷曲か?)で、この作曲者の典型であるA-B-A形式を取り、シンコペーションリズムのA部分、A部分の再現部直前に必ず登場するパーカッションソロ、金管ベルトーンとスウェアリンジェン節満載、これ1曲で彼の作曲スタイルを堪能できること請け合いであることは間違いない。またメロディは「大江戸捜査網」のパロディと言われており(嘘。でも似てる)、シンコペのリズムにゆったりしたメロディラインが絶妙である。
さて、実を言うと俺はスウェアリンジェンの曲は今まで一度も演奏したことがない。演奏する機会もなかったが、正直なところ何かバカにしたような、こんな曲を演奏するのはレベルの低い楽団だと勝手に決めつけ(実際OBになってから自分の母校の吹奏楽部がスウェアリンジェンの曲を選曲した、と聞いた時はガッカリしたものだ)、その割には曲の構成の単純さに面白みを見出して勝手に「スウェアリンジェン曲集」なんかも作っていたのだが・・・。
で今回初めて、しかもトランペットでの初演奏ということになるのだが、昨日練習に参加して吹いてみた感想は「この作曲家の曲ほど「演奏の基本」を実際に演奏することで得ることができる曲はない」というもので、きちんと演奏するには意外と出来ておかないといけないこと、知っておかないといけないことが盛りだくさんで、楽譜の中に基礎的な奏法や楽典の知識などを得ることで上達できるような箇所が吹きやすい形で効果的に与えられており、久々に中学高校時代の悪戦苦闘しながら曲に臨んでいた自分を思い出したのだった。
ということで、これをしょっちゅうやれ、と言われるとやはり苦痛であるが、ちょっとしたイベントでやるにはマーチとともになかなか楽しい選曲の一つなのではないか、と感じた次第である。
ただし、スウェアリンジェンのベスト曲は俺は「ノヴェナ」だと思う。構成もリズムも同じだが、この曲には他の曲にはない「シブさ」が漂っている。
もっと言うと、こういった30年ぐらい前の吹奏楽オリジナル曲の中で俺が一番好きなのは文句なしにC.カーターの「ラプソディック・エピソード」である。もちろん演奏は山田一雄/東京吹奏楽団。いぶし銀の響き。