土曜の深夜に起こったことをかいつまんで知らす。
疲れ果てて寝てたんで気がつかなかったが、日付が変わってすぐから
母と父の携帯から5分おきくらいに着信があった。
翌朝メールで見て声を失った。
父が出先で倒れて救急車で運ばれ緊急入院、ここ3日がヤマであるから
会わせる家族や親戚がいれば呼ぶよう医者に言われたとのこと。
父の携帯から入っていた着信は妹からで、電池がなかったため父のを使ったとのことだった。
何日くらい家を空けることになるかわからなかったため
身の回りを一応片付けて荷造りをし、日曜の夕方に地元に着いた。
最大3人まで入れるとのことだったので
その日の最後の面会時間で、娘3人で父に会いに行った。
まず上の妹が、お父さん、姉が帰ってきたよー、と父に声をかけた。
ああ、世に云う意識不明の重態とはこうかと。
生まれて初めて踏み入った集中治療室で、チューブだらけで昏睡する父を見てぼんやり思った。
妹と場所を代わり、手を握って名乗る。呼びかける。無論反応はない。
だが聞こえているには違いないから、神奈川から戻ったぞ、ここにいるぞと言い聞かした。
私の次に交代して声をかけた下の妹が手を握っていたら、指が動いた気がすると言った。
聞こえとらすとよ、と看護婦さんが微笑んでくれた。
面会の時間は決まっていて1日3回。
毎回、そうして声をかけた。
月曜の朝、呼びかけに反応があったと知らされた。
話はまだまだ出来ないが、今日、自分の意志で動いているのをこの目で見た。
まだ予断は許さない状態だが、危機的状況は脱したような気がしている。
でもまだ何があるかわからんので、良いことも悪いことも
看護婦さんたちはあまり言ってくれない。
地元にいても私には何もできないもどかしさがあって。
養うことなんか到底できないが、せめて働いて、
母や妹の生活をわずかでも支えられる稼ぎを得るのが
私が出来る一番の孝行だと判断して帰ってきた。←いまここ。
明日からまたがんばるわ。俺。
以上。

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