2006/10/1
「86年7月21日、デペッシュ・モード初体験記」
まだ社会人なりたてだった私は、とにかく仕事をお休みして東京へライブに行くことは結構一大イベントであった。
小学校からの付き合いで今は年賀状の交換くらいになっている友人Sは、あの当時流行りだったコピーライターの会社に勤務してたので、社団法人の会社に居た私同様休みは取りやすかったので、一緒に行った。
彼女はそれほど熱烈なデペッシュモード・ファンではなかったが、なんでもWAVEでアジアンテイストの女性ヴォーカリストのレコードを仕入れたい目的だけで、一緒に行ってくれた。
NHKホールに着いたのは6時少しまわった頃だった。洋楽バンドのライブ経験はそれほどまだなかった私は座席指定されている席で、多少そわそわしていた。回りは結構黒ずくめの皮のジャケットなどで着飾っている人が多かったのを記憶している。
ショウが始まった。それはまさしくショウだった。ヴォーカリストが異常にテンション高く客をのせようとしているのに反して、バックのリズム隊3人の寡黙なこと。ただひたすら俯き加減で打ち込みに没頭している。ただ1人笑顔でたまに客席に何かジェスチャーをしているだけで、あとの2人は本当に静か。今まさにライブをやっていることを忘れているかのごとく、演奏のみに専念している。愛想を振りまいてくれたのはアンディで、マーテインとアランは職人のように打ち込みしていたのだ。
でも、そのステージ感覚がとっても高尚な気分にさせてくれた。重厚でありかつ上質。高い毛皮のコートのような音楽性。綿密に計算された打ち込みのみの音世界は、一寸の狂いもない。
終わる頃には、大粒の雨。宿泊を取ったのはなんと六本木の安ホテル。地下鉄から出た私とSは、ずぶ濡れてホテルに着いた。
着替えながらテレビをつけた。びっくしりした!そこには「夜のヒットスタジオ」に生出演してる彼らーデペッシュ・モードの姿があったからだ。
アランもマーティンもあのライブのときとは打って変わって、始終笑顔。
司会のおばさんがマーティンを見ながら、
「今日はお誕生日なんですって!25歳の!」
と言うやいなや、後ろに立っていたアランがマーティンを抱っこして、頬にKissを!
とってもびっくりして私と友人は髪を拭くのも忘れていたほど。
マーティンは嬉しそうにケーキの25本のろうそくを吹き消した。
そして口パクライブを演奏して彼らはテレビから姿を消した。
やはり彼らはアイドル性を兼ねた職人肌バンドだったのだろう。
それは、その本質は今も決して変わらないと思う。
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さて。それから月日を経ること4年後の90年9月。私はなんと金沢までデペッシュを見に行くことになる。今度はかなりデペッシュ・ファンであるK子と行ったのだが、あのときはまさにデペッシュ絶好調の時期であって、なんとマーティンがデイブの傍まで下りてきて、ギターの弾き語りまでしてくれた。
会場は金沢で一番大規模な会場で、もう観客は殆どミーハーと化していた(爆)。いや本当にそうだったのだ。それでその流れで私たちは初めて”出待ち”までしてしまった。こんなこともあるかなと思った私は、マーティン宛ての手紙と、彼が好きそうなフランス映画のマニアック作品を録画したビデオなどを詰めた箱を持っていったのだけど、あっけなく彼らを乗せたツアー車は行ってしまった。しかたがないからツアースタッフの人に渡してもらうように頼んで預けた。
でも、やっぱり私はあの80年代の彼らの寡黙な職人肌ライブが忘れられない。そこには、あまたと居るギターバンドのような安っぽいものじゃないんだよぼくらの作り出す音はっていう、エレ・ポップに対する深い愛情と冷たいほどの自信が感じられたから。

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投稿者: merrybelle
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投稿者:merrybelle
☆マルさん
キュアーは生で観たことないんです。そういえばキュアー最近全然聴いてませんでした。
80年代は結構洋楽のバンドやミュージシャンが来ていたように思います。
それも今のようにオープンではなかったので、それこそ一部のファンのみで盛りあがるような雰囲気もあって、その独特の空気に触れたくてライブ会場に行くのが楽しみでした。
また、デペッシュも来てくれればいいのになって思います。もちろんキュアーも!
投稿者:マル
先日クラブ仲間の方からデペの日本公演のすべての音源をコピーしてもらいました。僕はデペは絶頂期の90年頃まで知らなかったので、みなさんが羨ましいです。
そういえばもう16年も日本には来てないんですね。。
キュアーとデペはもう海外に観に行くしかないですね。それかもっと落ちぶれて、日本にどさまわりに来ないと
観れそうにないです。困ったものです。
投稿者:merrybelle
☆ミフさん
なんか嬉しいです。ブラセレ(この縮め具合が好き!)にミフさんも思い入れがあることが!あのジャケットも素敵でしたよね、なにか近寄りがたい美意識でした。あのアルバムの中のマーティンのソロ、死にそうになりますよね綺麗で(笑)。今よりもずっと聖歌隊ボイスでしたよねっ。
ああ、デペッシュへの想いはつきません…。
投稿者:miffin
メリさんの文章を読んでいて、私も当時のことをありありと思い出してしまいました〜。
私がデペを見たのは86年と88年です、90年はチケット買っていたのに都合で行けなくなってしまって。
本当は85年に行くはずだったのに、その頃は趣味の合う友人なんて皆無でしたからね〜、一人で行くのがこわいような子供でしたよ。
アルバムとしてはコンストラクション〜やMFTMの方が好きなんですが、自分が一番デペバカだったのがブラセレの頃だったのであのアルバムには特別な思い入れがあります、やはり。
投稿者:merrybelle
☆Bプログラムさん
えー!85年も来ていたのですか!ということは。85、86
、88、そして90年!すごいですよねっ。
私はアルバムの中では「ブラック・セレブレーション」が大好きです。あのアルバムでのツアーが86年でしたから。今聴いても鳥肌立ちます。
来年あたり(難しいけど)、フェスでも単独でも来日を切望します…。