「natural french cafe mikumari V」
栃木(宇都宮カフェ)
お兄様、大変ご無沙汰しておりました
わざわざ駅まで迎えに来て頂きまして、
本当にありがとうございます
小学校の卒業と同時に引っ越しでしたので・・・
此の地とは、もう彼是15年ぶりにはなるでしょうか
えっ、僕ですか?・・・取り敢えず元気でやっております
それにしても、何故僕の住所が分かったのですか?
今でも本当に不思議に思っているんですよ!
だって、僕の父は所謂“転勤族”で、あれからも
会社を辞めるまで数回引っ越しを繰り返しました
ですから、“彼の名前”の入った封筒をポストで
見つけた時の僕の驚き様といったら・・・
それに、僕は“彼”・・・ジョンと過ごした日々の事は
あれから一度たりとも忘れた事はありませんでした
そう、
“川の向こう側”で過ごした2年間の事は・・・
さらに、何よりもあの手紙に書かれていた・・・
お兄様にはお聞きしたい事が沢山あるのです
あぁ・・・この橋・・・懐かしいなぁ・・・
彼とよくこの川原で一緒に遊びましたよ
え〜っと、今の時期でしたら・・・ほらっ、あそこです!!
すすきを引っこ抜いては、よく振り回していましたっけ
枯草やら棘々したのやらを体中にくっつけて・・・
でも、あの頃はそんな事で夢中になれたのですから・・・
水面に白い飛沫を絶えず煌めかせている川の流れ・・・
生命感に満ちた様々な緑で一面に茂る土手の草木・・・
実りの秋の情景として和ませてくれる収穫後の田畑・・・
まるで背景の様に荘厳な佇まいで聳える森の木々・・・
“川のこちら側”は今でもあの時のままなのですね
“僕らの世界”はもう後戻りする事も出来ずに
日々刻々と変わっていってしまうというのに・・・
あの水門、小学生の僕が見た当時のままですよ!!
よくジョンと・・・彼と二人で糸を垂らしていました
糸の先にはスルメやら煮干やらをくくり付けて
水門の脇の、水が流れ込むあの辺りに・・・
そうそう、ジョンが飛びきり大きなザリガニを釣りあげて
僕が取ろうとしてザリガニに指を挟まれて・・・
そう、此処での事ばかりなんですよ、
僕が覚えている子供の頃の思い出って・・・
natural french cafe mikumari
またお世話になります・・・それにしても・・・
あの頃は毎日の様に此方に遊びに来ていましたね
可愛らしいコスモスがお出迎えしてくれるなんて、
久しぶりの訪問で少しだけ緊張していましたが・・・
何だかとっても安らいだ気持ちになれましたよ
わぁ、このミニチュア、今でもこの場所にあったんですね
かなり錆び付いちゃったけど、白いペンキで描いた
窓やドアはしっかり残っていて・・・今、この辺りかな?
この椅子もあの時のまんま、全く変わってないや!!
でも、さすがにもう僕には小さ過ぎますね・・・
変わってしまったのは僕の方かな・・・
このサイコロだって、勿論手作り!!
お兄様の手にかかれば、僕らの欲しい物は
何だって作ってくれるのですから
このサイコロでよくゲームをしましたね
最近、サイコロを振る事なんて全然無いなぁ・・・
4人をまとめていたジョン・・・
いつもクールなジョージ・・・
ちょっととぼけたリンゴ・・・
そして、左利きの僕・・・
僕たち4人、自称
“小学校のファブ・フォー”でした!
本物の4人に負けないくらいの大きな夢を、
野原を駆け巡りながらいつも語り合っていましたね・・・
このテーブルでジョンと二人、椅子を並べては
お兄様の特製カレーをよくご馳走になりましたよね
彼の右腕と僕の左腕がぶつかって喧嘩した事もありました
逆に座れば良い筈なのに、僕はいつも右端のあの席・・・
そして、お兄様はこのチェアーに気持ち良さそうに
揺られながら、二人の様子に微笑んでいらっしゃった・・・
夏は爽やかな風に当たりながら・・・
冬は暖炉に薪をくべながら・・・
今日はあの席は止めておきます
だって今日は、僕ひとりですから・・・
あっ、それにこの階段の下の小さなテーブルに
いつか着いてみたいって思っていたのです
月が まぶしく かがやく夜に
なんだか わくわくするものが
静かに つばさをひるがえし
光の中を 飛んでいく
ジョンと僕で月の綺麗な夜にみみずくを見つけようって
こっそり計画していた事を思い出しました
この本に出てくるみたいな、大きな黄色い目をした
みみずくを見つけようぜ!!・・・ってね・・・
「冬瓜とトマトのスープ」
まるでカプチーノの様なふんわりとした食感の泡が、
僕の口の中にひと口・・・そして、またひと口・・・
それこそ、非常に細かな泡のひと粒ひと粒を
口の中全体で感じとる事が出来る様で・・・
そのくせ、泡がひとつの滑らかで柔らかな
かたまりとなって喉を流れていくかの様で・・・
その食感に驚き、感嘆していると、中で待っていたのは・・・
まるで大切に泡に包まれていた滋味溢れる野菜たち
自身の持つ瑞々しさとスープの旨みが見事に融合した、
小さめにカットされた透き通った冬瓜と真っ赤なトマト
訪問者へのもてなしの一杯が、身体にも心にも、
こんなにも優しく、そして温かく響いてくるなんて・・・
長い年月を経て、今またこうしてお兄様の愛情を
芯から感じる事が出来る僕は本当に幸せ者です
「もち豚のミートパイ」
今日は貴方が来られるとの事でしたので、
ミートパイを焼いてみました。
そう言ってお兄様が持ってきた大ぶりの皿の上には、
まるでモネの風景画を連想させる色彩豊かな野菜の共演
10種類はあろうかという緑野菜の間にバランスよく配された
淡い色彩の根菜類、更には赤や紫のアクセントも添えられ、
昼時の移りゆく光と影の中を印象絵画のキャンバスの様に
刻一刻と明暗濃淡をゆらめく様に変えていくなんて・・・
早く食べないと料理が冷めてしまいますよ!
それに普段から野菜は採っていますか?
ハッとしました・・・この“作品”に惹き込まれていたので・・・
仕事第一の父と二人暮らしで引っ越しを繰り返していた
僕の身体の心配や栄養の心配を最もしてくれたのは、
此の地にいた際の・・・お兄様、貴方でしたね・・・
バランスのとれた食生活を送っているとは
お世辞にも言う事は出来ない現在の僕にとって・・・
一品一品に対して抜群のセンスと調理法が施され、
普段口にする事も稀なバラエティに富んだ野菜は、
僕の身体の隅々にまで浸み渡っていくかの様です
そして、いよいよメインのミートパイの出番です
じっくりと焼き上げられたサクサクのパイ生地
香ばしい表面のパリッとした食感に加えて
肉のうまみを十分に吸ったしっとり感の
両方を同時に堪能する事が出来るのです
肉本来の旨味を100%味わえるフィリング
このパイ生地が包んでくれるお陰で
噛むごとに感じ取れる心地良い弾力感と
口の中いっぱいに溢れ出るジューシーな
肉汁を存分に味わえるのです
更に赤ワインを煮詰めた重厚なソースが、
このパイと肉の絶妙のコンビネーションに
一層のコクと深みを与えているのです
肉とパイ生地、それぞれ単一では決して到達出来ない、
お互いの才能を認め合い、協力し合う事で完成された
“気のおけない本当の親友”による最高の一品・・・
お兄様が何故に今回この料理を作ってくれたのか、
少しだけ分かった気がしたよ・・・なぁ、ジョン・・・
この天井裏へと続く階段、
本当にワクワクしながら上っていましたが・・・・
あぁ、当時は“内緒”で上っていたんだっけ!
でも・・・知っていらしたのですね、やっぱり・・・
あの頃は頭をぶつける心配なんて、
これっぽっちもありませんでしたが、今は・・・!?
天球儀を回しながら・・・行李を見つめながら・・・
飴色に滲む空の彼方に二人だけの旅の約束、
確か土星の輪っかに一番乗りするんだったよね?
ジョン、僕はまだ忘れちゃいないよ!
勿論、近い将来必ず二人で行くんだよ
だから、行李に荷物を詰めなきゃね・・・
僕らの秘密基地だったこの屋根裏部屋
あの森の向こうへの冒険の計画を練ったのも・・・
隣町の悪ガキを懲らしめる作戦を立てたのも・・・
そして・・・好きな娘の名前を打ち明けたのも・・・
みんな、この秘密基地だったよね
やっぱりここにいらしてたのですね
ええ、でも本当に良い眺めですね
またジョンとここで語りたかったです・・・
はい、あの子もきっとそれを望んだでしょう
じゃあ、ここに置いていきますから、
どうぞ、ゆっくりとなさって下さい
「テリーヌフロマージュ」
しっとりで・・・なめらかで・・・ふんわりで・・・
甘い感傷に浸っていた僕を、更に甘く包んでくれる
あの時と全く同じだよね、ジョン
よそ者の転校生だった僕がいじめられて泣いていたら
ジョン、君はこの屋根裏部屋まで連れて来てくれて、
黙ってお菓子を差し出してくれた・・・
何も変わらない風景で退屈するって?
春には華麗な花と新緑の木々の初々しいお披露目が、
夏には生命力の溢れる太陽の下の大地の眩い輝きが、
秋には心躍る実りの祭典で赤に黄色に着飾る自然が、
冬には凍てつく荒野にうつろに響く白と黒の静寂が、
こんなにも躍動感で満ちた変化を満喫できる場所
そして四季の恵みはまた僕らを楽しませてくれる
空の、水の、木々の、田園の、動物たちの・・・
此の地を取り巻く全ての変化は、
決して別れではなく、
“再会”なのだから!!
僕の住んでいる街も、変化はするよ・・・
でもね、一度取り壊された建物はもう戻ってこない
あの変化は、人の手によるもの・・・自然の恵みじゃない
僕たちが裏の山で栗やドングリを拾ってくると、
いつもこうして笹で編んだ籠にのせてくれましたね
この自然の中では、人も四季の移ろいの中で生きていく
秋から冬へ・・・日々の営みが鮮やかで美しい・・・
お兄様、この度は色々と本当にお世話になりました
懐かしい気持ちで僕の心の昂りがはち切れそうです
帰る前に一度、ジョンに挨拶をしたいと思います
たしかあの曲がり角のお寺でしたっけ・・・
お兄様、またお邪魔してもよろしいでしょうか?
錆び付いた僕の情熱を取り戻す為に・・・
そして、純粋なままで眠るジョンに会う為に・・・
natural french cafe mikumari
栃木県芳賀郡芳賀町東水沼 1032-12
028-677-3250
11:30-18:00 (LO 17:00)*事前の予約を推奨致します
定休日 日曜日
http://mikumari2006.blog108.fc2.com/
また長い日記になってしまいました・・・(´・ェ・`)"ゝ
Cindyにとってミクマリは“ご褒美”なのです。
よくここまでめげずにUPし続けたね、Cindy!
じゃあ、そろそろミクマリに行ってもいいぞ!・・・ってね♪
ですが、それは同時に更なる高いハードルを
自分自身に課しているような気もします・・・
そんな決意じみた気持ちでお店に伺うのに、
ココに来るとそんな気持ちがスゥ〜っと消えて
すっごくまったり出来てしまう・・・
それがココ、ミクマリなんですよね♪ ( 〃∇〃)b