「辿り着きましたよ。鎌倉さんの」
スタッフの一人が僕にそう言いながら近づく。
「え!?何ですか?何をですか?」
「何って…『プロジェクトB』ですよ。」
!?っ。もしかして…見たの?ブログを。
「いやぁ、鎌倉さんの違う一面を見ちゃったなぁ。」
そう言いながら不敵に笑みを浮かべるそのスタッフはまるで僕の尻尾をつかんだかのようにも見える。一抹の得体の知れない理由の分からぬ不安が僕の脳裏を横切る。
どうやら今回のメンバーの中に役者、スタッフを問わず何人かが、このブログを見て下さってるようである。いや、見て下さってるというより、チェック、または監視に近いようにも感ずる。軽く『言論の自由』を奪われてるかのようだ。
ブログは何気に難しいものである。沢山の方々に見て頂くのは確かに嬉しい事ではある。しかし沢山の方々に見て頂いてるという事は同時にそれだけ沢山のチェックをくぐらなければならない事にもなる。軽い気持ちで書いたものが思わぬ重い方向にとられる場合もあれば、冗談のつもりで書いたものが冗談にとられぬ場合もある。
例えば
「マジで、ほんとぶっ殺すよ!」
なんてのも仲の良い仲間との日常会話だと冗談として成立する。しかしブログではどうだろう?人格を疑われる可能性大である。もともと文字には温度も表情もない。ましてやデジタルの世界での文字は直筆と違って個性もない。最近は絵文字や顔文字なるものも開発されてるので若干の表情はついてはきているが、それでも誤解を招く場合がある。
前に週刊誌で炎上してしまった著名人のブログの一部が掲載されていたが、こんな事でひんしゅく買われちゃうもんなの?と思わんばかりの些細な内容であった。そうなると1番陥り易いのが誰が読んでも当たり障りのない優等生な文章しか書けなくなってしまう。しかしこれはなるべく避けたい。
楽しくなるような話を書いていきたいし、悲しくなるような話も書くであろう。下らない事も書くだろうし、哲学的な事を書くこともあろう。
時には膨らみ、時には包む、オブラートはいつもスケスケスレスレ。微妙で繊細である。(この終わり方も微妙。)