1994年6月27日に起こった松本サリン事件から今年で15年を迎える。
今年は裁判員制度が開始された年でもあるのは決して偶然ではない。
もちろんサリン被害に苦しめられ母親を犠牲にされた河野さんご一家だったが、何よりも公安警察主導によるメディア側の犯人報道によって河野義行さんが容疑者扱いされたことが、今も河野さんご家族の記憶のなかに残っているという。
そこで私は、河野さんの長男、河野仁志さんの毎日新聞のインタビュー記事(
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090625-00000004-maip-soci参照)をみながら、オウムが関わったあの坂本弁護士拉致事件と絡めて、公安警察と裁判員制度と問いたいと思う。
そもそも松本サリン事件とは、1994年6月27日長野県松本市で、猛毒のサリンが散布され、死者8人・重軽傷者660人を出したテロ事件であり、オウム真理教が地下鉄サリン事件と同様に行った許しがたいテロ事件だったことが後に発覚したが、当初第一通報者の河野義行さんは警察やメディアから犯人視された。
当時のマスコミは、被害者で第一通報者の河野義行さんを犯人扱いして報道してしまったのだ。
実はこの報道は、公安警察が主導しマスコミに意図的に流したものだった。
というのも、河野義行さんの学生運動暦と称して、過激派がサリンをつくろうとして事件を起こしたものだというような公安警察特有の過激派キャンペーンとして報道されだしたからである。
もちろんそんな事実はなかったのが判明し、オウム真理教が犯人だったことがわかるが、問題は公安警察である。
というのも、関東大震災時、公安警察の前身である警保局および内務省は通達で朝鮮人と社会主義者が井戸に毒を入れる、暴動を起こすと称して自警団をつくらせて六千人の朝鮮人を虐殺させた過去があるが、現在の公安警察も同じような傾向が強いといえるからである。
そのことについて、現在、日本政府は次のような立場を依然として取り続けている。
2008年9月3日(水)「しんぶん赤旗」の『関東大震災時の朝鮮人虐殺、日弁連の勧告とは?』の報道(
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik07/2008-09-03/ftp20080903faq12_01_0.html参照)によると、「震災3カ月後の23年12月15日、衆議院本会議で永井柳太郎は、内務省警保局長の電文その他、官憲が朝鮮人暴動のデマを流した証拠をあげて、「鮮人事件の全責任は唯々自警団にのみ存するが如き観」をなしているが、「政府自ら出したところのこの流言蜚語(ひご)に対して責任を感じないのか」と、政府に謝罪を迫ります。これにたいして、山本権兵衛首相は「目下取り調べ進行中…最後に至りまして事柄を当議場にうったえる時もございましょう」という答弁で逃げ、以来、今日まで日本政府は、山本の態度を踏襲し、調査結果の発表も謝罪もしていません。(同前)
日本弁護士連合会(日弁連)が2003年8月25日におこなった内閣総理大臣あての「勧告」にも回答していません。
日弁連の「勧告」は、在日朝鮮人から「父の知人が関東大震災直後に虐殺されたり、虐殺をうけた朝鮮人が遺体に残酷な仕打ちをうけているのをみたりして深く傷ついた。国は、責任を認め、あるいは謝罪したことは一切ない。同種の事件を再発防止するためにも政府の責任を明らかにしてほしい」という人権救済申し立てを受けたものです。
日弁連人権擁護委員会は、調査、史料検討を行い、虐殺の背景に戒厳宣言があり、軍隊による多数の朝鮮人・中国人虐殺があったこと、内務省警保局長発の打電が流言飛語の原因となり、自警団創設につながったこと、などを認定、次の2点を勧告しました。
(1)国は関東大震災直後の朝鮮人、中国人に対する虐殺事件に関し、軍隊による虐殺の被害者、遺族、および虚偽事実の伝達など国の行為に誘発された自警団による虐殺の被害者、遺族に対し、その責任を認めて謝罪すべきである(2)国は、朝鮮人、中国人に対する虐殺の全貌(ぜんぼう)と真相を調査し、その原因を明らかにすべきである。
勧告内容全文は、『日弁連人権侵犯申立事件 警告・勧告・要望例集5』(明石書店)に収録されています。(喜)」というわけである。
確かに、過激派のテロ事件などがかつてはあったし、過去に中核派による圧力釜自爆事件など度し難い事件が過去にあったが、この時代はもう過激派もテロ行為そのものを放棄しつつあり、むしろ公安警察は過激派キャンペーンの口実がなくなっていたことで、公安の組織延命的な意味をこめて松本サリン事件を学生運動暦のある河野義行さんにかこつけて左翼の過激派キャンペーンにマスコミを総動員させて散々利用したということである。
毎日新聞の記事(
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090625-00000004-maip-soci参照)によると、河野善行さんの長男の河野仁志さんは「(事件を)風化させる必要はない。冤罪(えんざい)を生んだ構造、(事件直後から支えとなった)永田恒治弁護士の活動や一部ジャーナリストの誠意ある対応、市民の活動など社会に問うべきことはまだたくさんある」と語られている。
さらに、事件の経験も踏まえ、5月に始まった裁判員制度には多くの疑問を投げかけ、メディアの犯人視報道で偏った世論を、同じメディアによって中和せざるをえなかった当時を振り返り「弁護側やメディアが自由に発言する権利すら狭められる点は危険だ」と指摘されている。
河野仁志さんは27日、長野県松本市内で「松本サリン事件と裁判員制度」をテーマに講演すると毎日新聞の記事(
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090625-00000004-maip-soci参照)のインタヒューで答えられていた。
つまり、公安警察によって犯人扱いされマスコミを使ったキャンペーンで河野さんご家族は苦しめられたわけだが、のちにオウム真理教が犯人だと確定したことにはなるけれども、こうした公安警察の筋書き通りのリーク情報によって自白強要が生まれ冤罪事件として発展した可能性もあるわけで、警察の情報操作によって恣意的な報道になりながらでっち上げ裁判が進められることさえありえるのが問題なのである。
実際に、最近警察権力の冤罪事件は増加しているわけなので、警察情報のマスコミ報道はとくに問題が多いと断言せざるをえない。
しかも、警察主導の恣意的なマスコミ報道によって裁判員制度に影響する可能性が高いということを意味してもいる。
河野仁志さんは、父親が警察に犯人扱いされた経験があるからその危険性をよく理解されているのである。
しかし、こうした懸念を取り除くような制度やチェック機能が果たして現在の日本にあるかといえば否だろう。
そういうなかで裁判員制度を発足してしまったのは問題が多いといわざるをえない。
そもそも、この松本サリン事件を発生させたオウム真理教は、オウム被害者弁護団の坂本弁護士を拉致してもいたわけだが、他方でこの事件では、重要な証拠物であるオウムのバッチが坂本さん宅から見つかっているにも関わらず神奈川県警はオウムを捜査することを恣意的に控えている。
というか、恣意的に坂本弁護士拉致事件そのものの捜査を控えたといわれている。実際、坂本弁護士のご両親が拉致事件の真相を訴える署名とオウムバッジが坂本さん宅から発見されたことで、オウムへの捜査を神奈川県警に依頼したが、門前払いを受けているからである。
この真相は、実をいえば、公安警察による日本共産党国際部長である緒方さん宅を違法に盗聴していた事件で、警察権力に対して国家賠償請求訴訟を起こし勝訴した原告団担当弁護士が坂本さんだったため、公安警察の圧力によって坂本弁護士拉致事件の捜査が恣意的に控えられていたといってよく、国家賠償請求訴訟は敗訴し公安警察官二名が自殺と不振死した警察権力からすれば、坂本弁護士そのものにいい印象をもっていなかったことが背景として浮かびあがってくるのだ。
坂本さんご両親を門前払いした当時の神奈川県警本部長は本音では「ぞまぁみろ」ということだったに違いない。警察とはそういう組織なのだから。ちなみに、神奈川県警は組織ぐるみで、神奈川県警に勤めている現職警察官の麻薬常用がばれるのを隠蔽工作した不祥事が発覚し神奈川県本部長が失職し、部下も辞職においこまれているような組織である。
だから私は昨今の例の足利冤罪事件で謝罪した栃木県警、河野さんに謝罪した長野県警を信用はしておらず、むしろ警察権力全体の批判に向かい国会では証人喚問にまで発展してきたことで、警察権力の冤罪多発と絡めて警察署で行われる事情聴取における可視化の全面化(自白強要や政治的転向強要の実態が露呈するから公安警察が反対しているのだ!)や裁判員制度発足早々裁判員制度そのものがこれで吹き飛んでしまいかねないと権力側が恐れたためといわざるをえない。
足利冤罪事件の被害者は警察権力を許したが、公安警察から嫌がらせされてきた私は絶対に警察を許すことは断じてない。
それだけではなく、ここでも過激派キャンペーンとして「利用」さえしており、坂本弁護士は国労支援者で対立する過激派セクト、つまり当時国労と対立していた動労→JR総連・カクマル派との抗争で拉致されたというような報道さえ行われているわけだが、つまりこの坂本弁護士一家拉致事件捜査には公安警察が動いていた証拠でもあるのだ。
こうした坂本拉致事件の犯人がわかったのも、松本サリン事件後の起こった地下鉄サリン事件後だったが、坂本弁護士宅に落ちいてたオウムバッジという証拠物がありながら、しかもご両親が署名を抱えてオウムを捜査してほしいという訴えに対しても「そんな馬鹿な話がありますか?」などといってとぼけて追い返した神奈川県警本部長そのもの、まったく捜査に生かさなかった神奈川県警そのものの失態として、もっといえば公安警察の圧力と面子が、その後の松本サリン事件→地下鉄サリン事件にまで拡大していくことになったのである。
そもそも坂本弁護士拉致事件現場にあったオウムのバッジを黙殺したのは、当時の神奈川県警なのだ。
どうしてこうなるのかといえば、朝日新聞の襲撃事件捜査でも指摘されたし、国松警察庁長官狙撃事件でも暴露されていた話だが、公安警察が捜査本部に圧力をかけるらしい。
日本の警察権力は、公安警察が実権を掌握しており、公安の介入には逆らえないそうである。『日本の公安警察』青木 理講談社現代新書より
坂本弁護士拉致事件の段階でオウムを警察権力が捜査しておけば、その後の松本サリン事件→地下鉄サリン事件はなかったといえるだろう。
こうした関連を裁判過程で明確にしようとした安田弁護士は突如、背任行為を吹っかけられて逮捕され、またまた公安検察、公安警察主導のキャンペーンで、「悪徳弁護士=安田弁護士」というイメージをつけられオウム裁判から退けられ、それだけではなく逮捕・拘留され弁護士を剥奪されかかったのである。
国家権力=公安検察&公安警察は自分たちにとって都合のいいようにキャンペーンしながら、事実が暴露されるような局面にいたると、そのものをつぶしてしまおうとしてくるから厄介なのだ。
そもそも公安警察そのものに責任はあり、こういう歪んだ組織に甚だ疑問を感じざるを得ない。私が公安警察の廃止を訴える理由はそういうことからも関連しているのである。
それだけではなく左翼に対する過激派キャンペーンとして、坂本弁護士拉致事件と松本サリン事件は公安警察がネガティブに報道させた経緯があるのだ。
これは当時、左翼の過激派がテロ放棄を打ち出してきたことに対して、公安警察側の組織要員が過剰になることで公安警察側は組織的な延命策として過激派キャンペーンを故意に行いたいという衝動があったのはいうまでもないだろう。
ましてや破防法勧告を持ち出したのは公安警察および公安調査庁だったが、これほど盗人猛々しい話はないというものであるが、当時の市民やマスコミの反対もあって権力側はいったん断念したが、その後、公安警察は組対法を設置させ違法盗聴を合法化し、現代の治安維持法である共謀罪制定をもくろんでいる。
共謀罪は政治家にも適用されるものであり、何でも犯罪事件に適用できうる共謀罪の予行演習&既成事実化として西松建設問題(ネガティブキャンペーンで民主党のイメージダウンを狙った国家暴力そのものだ!漆間の「自民党は立件しない」という発言はまさに三権分立とはかけ離れた国家権力の実態を露呈させてくれてもいる!)も狙われたといっても過言ではない。
いえることは、冤罪事件ではっきりしたように、一般の人も警察にはめられて犯罪者にしたてあげられることがあるということなのである。他人事ではないのだ。
すでに警察権力は、首都圏で監視カメラを設置しまくり国民監視を強めつつあるが、他方で、自分らの事情聴取に対する可視化の全面化には断固反対しているのは、「政治犯」に対する転向強要のためには悪辣な不当弾圧をも手段にする公安警察なのである。
次の著書やブログではこうした現状が徹底的に暴露されているのですべて読んでほしい。
■『監視カメラは何を見ているのか』 大谷昭宏著角川書店
「安全という名にかくされた嘘を見破れ!共謀罪法案、監視カメラ、Nシステム・・・『安全社会』という美名のもとに、私たちの生活がますます監視・管理統制下におかれていることに気づきませんか?」
http://www.kadokawa.co.jp/book/bk_detail.php?pcd=200603000244
■『dr.stoneflyの戯れ言』 「東京ロンドン政策協定」監視カメラで石原が覗くものは?
「監視カメラによる網の目包囲網は、権力(公安)が防犯(検挙)以外につかうのは目に見えている。むしろそっちがメインであることは「共謀罪」の危険性を知り反対運動をしていた人は察知できるのではないか。街頭集会もデモも全てが監視され記録されていくのだ。そこに参加するものが特定されリスト化されていくのは間違いないだろう。特に今、この国の流れをみれば容易に想像がつくではないか。監視カメラの設置は管理国家にとっては必需品で、政府に背くやつは許さないという態度の現れにほかならないのだ。石原は覗いている。戦争に反対する奴は画像にて特定するぞ、と。」
http://dr-stonefly.at.webry.info/200606/article_1.html参考
こんな恣意的な情報操作やデマを言い立てる警察権力を「信用」できますか?
ストーカー殺人者やひったくりをするような現職警察官の不祥事続出、志布志事件や足利事件など数々の冤罪事件多発、監視カメラで監視強化は熱心になりながら自分たちの捜査に関する可視化の全面化には断固反対(部分導入というのは、公安事件に関しては可視化を認めないというもの。)というこんな警察権力を「信用」できますか?
西松建設問題に関して「自民党は立件しない」と言い放つような三権分立を馬鹿にしたようなものたちがすすめる裁判員制度を信用できますか?
こうしたなかで松本サリン事件から15年がたった今日、冤罪事件が次々と露呈しだした今年に、裁判員制度は発足しだした。
しかも皮肉なことに裁判員制度でかけられた裁判とは、鹿児島県警警備部、つまり鹿児島県警公安部の現職公安警察官による婦女暴行事件である。
鹿児島県警公安部といえば鹿児島大学構内のカクマル派をおもに監視しているところであるが、警視庁公安二課の不祥事といいカクマル担当の公安警察官の不祥事がやたらと目立つのは、国家権力にとってカクマル派が脅威でもなんでもない組織であり、カクマル派は国鉄分割民営化に賛成しJR総連を結成し国鉄分割民営化に反対する国労解体を叫んでいた。実際、「週刊現代」2007年1月20日号に、公安警察のトップ(2009年6月の現在、渦中の人だった米村氏は警察庁警備局長から警視総監に部署を変わっている。)はカクマル派の手先という記事が掲載されたが、カクマル派と公安警察トップの癒着のためカクマル担当の公安デカは仕事に身が入らないからカクマル担当の公安デカに限ってやたらと不祥事が多いといえるのだ。
わかっているだけでも、警視庁公安二課長の窃盗事件、早稲田大学構内のカクマル派とカクマル派の本部である解放社を監視している警視庁戸塚署警備課長痴漢した女性に現行犯逮捕される事件、鹿児島県警警備課の公安デカの事件と、カクマル担当の公安デカの不祥事が異様に露出しているのである。
今年冒頭、今年から裁判員制度が開始されることを念頭においた発言を警察庁長官は指摘していたが、まさか現役の警察官の不祥事事件が裁判員制度の第一号として記録されることになったのは決して偶然ではない。
この発言をした警察庁長官は、麻生総理は解散を口に出してもいない段階なのに、いきなり総選挙前の人事一新を理由に今月勇退したばかりで、公安警察あがりの人物が新しい警察庁長官に就任したという。
なお、この人事に対して別でエントリーしてことの真相を暴露したいと考えているのでご期待願いたい。
最後に改めて毎日新聞(
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090625-00000004-maip-soci)のインタビューに答えた河野仁志さんの問題提起をご紹介して締めくくりたいと思う。
河野仁志さんは「(事件を)風化させる必要はない。冤罪(えんざい)を生んだ構造、(事件直後から支えとなった)永田恒治弁護士の活動や一部ジャーナリストの誠意ある対応、市民の活動など社会に問うべきことはまだたくさんある」と。
河野仁志さんは、今後も検証を続けるという。事件の経験も踏まえ、5月に始まった裁判員制度には疑問を投げかける。メディアの犯人視報道で偏った世論を、同じメディアによって中和せざるをえなかった当時を振り返り「弁護側やメディアが自由に発言する権利すら狭められる点は危険だ」と考えるからだ。 仁志さんは27日、松本市内で「松本サリン事件と裁判員制度」をテーマに講演する。
☆参考・抜粋
6月25日2時31分配信 毎日新聞
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090625-00000004-maip-soci
裁判員制度に異議あり!という方は
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