科学の常識か、非常識か
酸素ボンベと二酸化炭素ボンベを取り違えで、患者死亡という事故が起きた。そういえば前から気になっていた。
―――事故の概要――― 福岡県八女市の公立八女総合病院(吉田博企業長)は27日、患者2人に酸素ではなく誤って二酸化炭素(CO2)を吸入させる事故があったと発表した。2人は死亡した。病院側は同日会見し、「二酸化炭素の吸入は数分間と短時間で、直接的な死因につながったと考えていない」と因果関係を否定した。八女署は同病院から届け出を受け、業務上過失致死の疑いもあるとみて関係者から話を聴いている。
同病院によると、24日午前4時前、がんで入院中の70代男性が危篤状態になり、手術台まで搬送する際、酸素ボンベが空だったため、看護師が誤って二酸化炭素ボンベと交換し吸入させた。男性は手術前に死亡した。
さらにミスに気づかないまま同日午後6時ごろ、急性硬膜下血腫で救急搬送された80代の男性にも、手術台に運ぶ際と、手術を終えて病室に運ぶ際に二酸化炭素を吸入させた。この男性は翌朝に死亡した。
その後、別の看護師が取り違えに気づいた。外観は、酸素ボンベは黒、二酸化炭素ボンベは緑色で別々の場所に保管しているが、形状は同じという。
同病院は26日に2人の遺族に謝罪。取り違えた看護師は「患者の容体に焦ってボンベの色や文字に目がいかなかった」と話しているという。
石倉宏恭・福岡大病院救命救急センター長の話
一般論として重症患者に対して、口から二酸化炭素を入れた場合は即、窒息状態になると考えられる。
=2008/08/28付 西日本新聞朝刊=
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/43994
(1)ガスの研究をしていて、この2つのボンベはよく扱うのであるが、色が決まったいきさつを知らない。
調べてみた。≪昭和41年5月25日通産省令50号により≫→二酸化炭素=緑色、酸素=黒色、塩素=黄色、水素=赤色、アンモニア=白色、アセチレン=褐色、その他=ねずみ色(灰色)と決まったらしい。(ウイキペディアによる)
(2)基本的になぜ酸素が真っ黒で、二酸化炭素のボンベが優しい緑色であるかということに尽きる。
黒い酸素ボンベは、研究室や工事現場でならべると、酸素とアセチレン、酸素と水素、酸素ボンベが黒であるので、すべての化学変化のベースという感じがする。
(3)一方、二酸化炭素はなぜ緑色なのか、議論のいきさつは知らない。よく見かけるのは、ビヤガーデンや、酒場のビールサーバーの脇である。その他、温室や促成栽培の現場である。多くの場合、二酸化炭素は、ビール工場などで、酵母が発酵するときに排出されるのを回収して製品とされる。他の化学物質と違って回収して、温室などで植物を育てるのに使えば100%有効利用が出来て、終わることができる。このようなことからCO2のことをグリーンケミストリーという言葉がある。確証はないがこのことと、緑色表示とは関連はありそうだ。
(4)グリーンサスティナブルケミストリーは、生態系に与える影響を考慮し持続可能な化学工業のあり方から提言された。アメリカ合衆国の環境省(EPA)化学製品の生産から廃棄まで生態系に与える影響を最小限にし、経済効率を向上させる化学工業の改革運動にたいしてこの言葉を使い始めた。二酸化炭素はそういう意味では優等生である。
(5)こうして病院現場に、黒色の酸素ボンベと、緑色の二酸化炭素ボンベが並んだのである。病院にどうして二酸化炭素があるのか調べ中である。
<矢さんからのコメントで:腹腔鏡による手術でおなかを膨らませることに使うと教えていただきました。ありがとうございました。>
後は人間の受け止め方として、緑色を見て、人命にどう影響するか『とっさの判断』で優しいと見えたのではないか。これが赤色ならためらいがあったのではと思う。
今回の事から現場で安易に
「接続金具が同じだからいけない。金具の口径を変える」という意見があるようだ。
貧乏研究者の意見は、高圧ガスの接続金具は高価である。現在でも2種類ある。このまま放置すると、事故のたびに金具が増えかねない。
その内、○○専用などとウンザリするような現象が眼に浮ぶ。
本音を言うと、接続金具の種類を増やして欲しくない。接続金具が同じだから助かっている面があるからである。
その一方で、病院でどの様に使っているか、矢さんのご意見によれば、(1)単純に両方を並べる事はない十分離れたところに置くことができる、(2)そして、十分確認し接続する。その上、病院では『吸引はダメ』『注意』と赤文字で表示もする。その上、命に関わるのだから病院だけ、酸素と二酸化炭素は別の金具、ついでにボンベの色も変えるくらいの対策があっても良いと思う。

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