衆議院本会議で、野田内閣による消費税増税法案を含む関連法案の採決が行われ、正税増税法案に関しては民主と自民、公明により、賛成363票、96票の反対で、賛成多数で成立した。
一方で、小沢一郎ら57人が反対、16人が棄権・欠席した。
小沢一郎は事前に離党と新党結成を匂わせていたが、投票後は離党という言葉は一切口にしなくなった。本来の民主党に戻すなどと発言もしており、残るつもりのような感じもするが、一方で解散総選挙の近いことにも言及しているので、しばらくは残留して様子を見るつもりか。。
あるいは事前の段階では離党を匂わせて造反を増やすつもりの単なる駆け引きだったのか。それとも、おもったほど国民の支持を受けなかったので、新党結成は中止にしたのか。はたまた、今後に離党するのか。
民主党中枢は、造反議員への処分は軽く済ませようと思っている。ただ、賛成票を投じた議員からは、反対派に対する厳しい主張もある。といって造反議員を重い処分にして離党されると、少数与党になってしまうおそれがあるので、野田政権としては判断が難しくなる。
一方、自民党は、ここぞとばかりに造反議員への強い処分を主張し、民主党分裂を画策している。敵なのか味方なのか、党利党略に走る自民党という感じ。造反議員が離党した場合、内閣不信任案を自民党が出すと、今度は造反側が自民党案に賛成しかねない。わけがわからない。
民主党は素直に、マニフェストの見通しが甘すぎました、だからやむなく増税に変更します、と謝罪し、更に本来ならば、法案を通す前に国民に信を諮って総選挙すべきではないか。
事後にはいくら選挙しても、果たして民主党が敗北し、増税反対派が政権をとったとしても、減税となるかは怪しい。
今回の騒動、本来は消費税が2年後に8%、その後は10%にまで上がるわけで、そちらが問題視されるべきなのに、マスコミは民主党の分裂を大騒ぎして報道している。
そのあたり、あくまで国会内の話で、国民とは無関係に進められている法案をめぐる攻防と工作であったといえる。

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