守屋前防衛事務次官の国会証人喚問。
本人は、ゴルフなどの接待については認め、給油問題などへの影響について謝罪した。
が、山田洋行側へ便宜を供与したか、なぜ偽名でゴルフをプレーしたのか、と言ったことについては、関与を否定した。
で、正直言って、このネタ、こんなところ。
国会証人喚問は、いわば政治的な駆け引きの話であって、また、本人がある程度の罪を認めて、全部を認めないのは、分かり切ったことである。これはここ一連の食品不祥事における経営者らの言い訳でも共通している。ある程度罪を認めて、罪を認める反省の態度、とやらを示しつつ、より都合の悪いことはごまかそうという、典型的なパターンだ。
一方で、守屋前次官は、接待に同席した政治家らについて、あえて匿名でにおわす発言もしており、影響力をさりげなくアピールして、逃げ道を作ろうとしている。
いずれも想像出来る範疇の出来事であり、その発言の一つ一つで大騒ぎするようなことではない。
むしろ、こういう連中のせいで、日本の防衛にほころびが出来る方のことがずっと大問題だ。特に次期輸送機などの自国開発に関わる影響力は大きい。
守屋前次官が何回ゴルフをして、麻雀をして、焼き肉を食べたかどうかではなく、癒着した結果、どういうところに問題が起こっているか、の方が重要なのだ。
司法で調べて不正が明らかになるのであれば、それでいいわけで、政治のネタにしてややこしくする必要はない。政治がやるべきは、防衛問題がどうなっており、それに関してどうすればよいかを検討することだ。それは給油問題だけではない。
あえて国会に証人喚問するには、それなりの意味がなければだめだ。
しかし、こういう証人喚問でも、メディアの報道でも、この小人物がいかに悪いやつかを責め立てるだけで、そこから先の取り上げ方が甘い。
今後、再び国会で動画公開という形で証人喚問するならば、個々の不祥事をつっこむのではなく、国民に軍事や外交、官僚制度に対する問題提起となるような方向でやってもらいたい。それが政治家のすることであって、国会はそう言う場所なのだから。

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