中学校の新学習指導要領の解説書に竹島の領有権問題があることを明記したことに、韓国側が猛反発している。
駐日大使を召還し、大使は帰国の際、「人の家に火を付けて冷静になれとは」と吐き捨てるように言った。
ソウルの日本大使館には抗議デモが押しかけ、卵と餅の攻撃。
駐韓大使は外交通称省に呼び出されて、抗議を受け、「日本は大事なものを失う」と警告を受けた。
先には、尖閣諸島の船舶衝突事故で、台湾側が同様の対応を取ったばかりだが、両方に共通することが一つある。
竹島も、尖閣諸島も、韓国・台湾(中国)が領有権を主張したのは、戦後になってからだ。
尖閣諸島の場合は、海底資源の可能性が出てきたことと、経済水域問題が浮上したのをきっかけに、中国側が領有権を主張しだした。もっとも、中国は、琉球列島も自分たちの領土だと思っているから、ついでのようなものだが。
竹島の場合も、1952年の李承晩ラインの一方的宣言からはじまった一連の流れであり、日本海の呼称問題もその延長上にある。それをいかにも、2000年前から決まっていた、等という、最近韓国人の間で流行の「韓国起源説(※)」に乗っ取ったような主張が繰り返され、アメリカの新聞に広告を載せたりする。
しかし、独島(竹島)にしても、東海(日本海)にしても、史料を見る限り、違う名前で呼ばれていたのは明らかで、その名前すら近代以降の話。しかも独島や東海など、固有名詞ではなく単なる一般通称でしかない。もともと感心も何もなかったのが、近代以降のナショナリズムによる大朝鮮思想勃興によって、あの島も俺たちのもの、この海も俺たちのもの的なジャイアニズム感覚が浸透しているだけにすぎない。そのあたり、かつての帝国日本に似て無くもない。どの国もやることだ。歴史に学べ、とか言いながら、学んでないのは韓国の方であろう。
歴史的な点は言うまでもなく、またあえて領土主張だけで言ったとしてもお互い様であり、その意味で今回、日本はかなり譲歩しているが、それでもまだ、お互い冷静に、等と、低姿勢である。だが譲歩すればいいと言うものでもない。主張すべきところはするべきで、本来、大陸系の人々は、主張しなければ、失ってしまうことを歴史的に学んでいるから、言うことが激しいのである。それは失う歴史の多かった韓国なら当然だろう。譲歩すれば、あれもこれも、と言う話になるだけだ。
実際、多くの韓国人は冷静だが、一部には過激な連中もいる。市民だけでなく、自治体長クラスでも。竹島どころか、壱岐・対馬まで、韓国領だと決議する地方自治体もあるくらいだ。壱岐のお寺から盗まれたお経が、韓国で国宝に指定されているくらいだから、相当なものである。
かつて韓国併合をした負い目があるとは言え、日本の守るべき部分の主張をしなければ、失うだけである。それは友好や平和とは意味が違う。
平和は、全当事者が関わってこそ成立するわけで、いくら日本が譲歩したとしても成り立たない。
一方で、かつての日本がそうだったように、やりすぎた国は、手痛い目に遭う。韓国や中国も、そうならないとどうして言えようか。
※韓国起源説…何でも韓国が発祥かのように主張するトンデモ系学問だが、韓国では大学教授や政治家までがくそまじめに主張している。日本食や日本文化、日本の動植物などが多いが、ピラミッドや、英語、四大文明、サッカー等まで、韓国起源だと言っている。端午の節句は中国三国時代頃からの伝統文化で記録もちゃんとあるのだが、ユネスコの無形文化遺産では韓国起源と間違って登録されてしまっている。いわゆる「ウリジナル」。ちなみに日本も戦前、似たような何でも日本起源の流行があった。

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