今日は、近畿、北陸、関東などで局所的集中豪雨があり、金沢と神戸では被害が出た。
金沢では中心を流れる浅野川がわずか30分ほどの間に一気に氾濫し、市街地に流れ込んで、550棟以上の床上、床下浸水が起こった。電柱が倒れたり、車が流されたりする被害が出た。しかし、2〜3時間後には引いて、5万人に出された避難警報も解除された。富山県でも180棟が浸水している。
神戸では、市街地の小河川、都賀川がわずか十分で1m30cmも増水し、川遊びをしていた大人と子供11人が流され、少なくとも4人が死亡、2人が行方不明になっていると見られる。この川は、護岸工事した上で、公園に整備した川で、夏休みもあって今日も家族連れが沢山来ていた。上流の六甲山地近くでは突然の豪雨に川から上がって助かったわけだが、下流では逃げる間もなかったのだろう。元々増水しやすい川と言うことは知られていたらしい。
京都の向日市では、線路下をくぐる部分に水が流れ込み、車両が立ち往生。児童送迎バスが取り残されて救助されるという事態も起こっている。
昨日から今日にかけて、各地で突風による被害も出ている。
竜巻や、ダウンバースト、ガストフロント、と言った気象現象と見られる。福井県敦賀市ではイベント会場では大型テントが倒れ、一人が死亡、9人が重軽傷を負い、今日は静岡で5人が怪我した。
地上付近の高温で、上昇気流が起こり、積乱雲が急速に発達。上空で冷やされ、氷のかたまりが成長し、それが重力に引かれて大量に落下してくる。氷は溶けて雨になるため、局所的集中豪雨になるわけだが、同時に空気も下へ向かって吹き下ろされる。一部の雨が気化することで気温が下がり、下降気流が加速される。直下ではそれがダウンバースト(マイクロバースト・マクロバースト)となり、家を押しつぶしたり、飛行機を墜落させる(そのため、飛行場周辺には観測用ドップラーレーダーがある)。落ちてきた空気のかたまりは、地面付近で四方へと広がる。その風の先端部分がガストフロント(突風前線・陣風前線)である。
下降気流が起こった時、その上の部分では、周囲の暖かい空気が流れ込み、逆に上昇気流が起こる。そこで空気の流れに回転が加わり、気圧が下がり、超小型の低気圧が生じる。積乱雲はさらに発達し、その下面と地上との間で、何らかの理由で急速に渦が生じて地上に伸びてきて竜巻が発生する。竜巻の発生過程はまだ完全にはわかってない。
いずれも、積乱雲によって急激に起こる気象現象だ。
最近、集中豪雨や、突風による被害が頻発している。過去にもなかったわけではないが、その頻度は明らかに増している。
大気温の全体的な上昇、水蒸気の量、風の動き、前線の変化、それに膨大なエネルギーを発する都市の存在が、現象を引き起こしている。
いわゆる地球温暖化が具体的な影響を見せだした現象のひとつと考えられる。
昨今ブームと化しているエコ対策程度のことでは、もはや、すぐに温暖化を止められるような状況ではない。今後、このようなことは増加するだろう。
物的被害はどうしようもないが、人的被害は、危険性を察知することで避けることはかなりのレベルで可能だ。周辺の天候や突風を感じるなどで川沿いや山の斜面から離れるという方法は出来る。
また、豪雨による何十万トンという水を、山地や河川が受け止められなくなっている。山林の管理や、河川の改修(それも護岸化するのではない方向で)も必要だろう。

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