ケンブリッジ大学などの研究チームが、太陽系外惑星のうち3つの惑星について詳細に観測したところ、理論から想定される量と比べてはるかに水の量が少ない、乾燥した惑星だと発表した。
それで研究者が期待するほどに水の量は多くはないのではないか、という。
ただ、この話、詳細な理論を聞いたわけでもないので素人的に思うのは・・・、
今回観測した3つの惑星は、いずれもホット・ジュピター。
恒星のすぐ近傍を高速で回るホット・ジュピターだったら、当然、恒星からの猛烈な熱によって水は蒸発しているはずではないかと思うのだが・・・。
すべての惑星の標準となるような環境ではないはず。
ホント単純な発想ですが・・・、
この話で思い出すのが、十年くらい前ころだったかに見た、NHKスペシャル。
その中で、系外惑星で見つかるのはガスジャイアントばかりであり、ガスジャイアントが恒星の近傍にいるということは、そこに接近する過程で、地球のような惑星は重力の影響で弾き飛ばされてしまい、生命が住んだり進化するのはムリだろう。宇宙には生命はほとんどいないのではないか、と言った説が紹介されていた(記憶で書いているから正確ではないが)。
見た時から、おかしな説だと思った。
なぜなら、当時、系外惑星で観測できるようになったのは、恒星の手前を横切る際の光量の変化とか、惑星の動きに恒星が引っ張られる際の動きの変化とかから惑星があると推測されるもので、いずれも相応に大きく、恒星に近いところにある惑星、すなわちホットジュピターでないとそういう観測ができなかった。
つまり、観測できたのがガスジャイアントだというだけで、ホットジュピターの無い星系で地球サイズの惑星があるかどうかを断定はできない。観測できた範囲だけでほかの全てまで判断するのはおかしいと思った。
現に、その後の観測技術の発達で、地球サイズの惑星もちらほら見つかり始めている。
今回の発表も、一部の結果だけで全てを判断しようとしてないか、などと思ってしまった。
あるいは、高温のホット・ジュピターでも、計算上はもっと水があるはず、という理論があるのかもしれないし、そもそも研究チームの言いたいことはそういうことじゃないのかもしれないが。
科学は観測を旨とする。観測できたところは真実であり、そうでない不分明な部分は科学ではない。
とはいえ、観測できないからといって否定する証拠にはならない。
それに、これから判るかも知れない部分を想像することや、そのために出来る方法を考えることまで非科学的とはいえないだろう。でなければ科学は発達してこなかった。
たとえ理論や計算で判ることが多いとは言っても、理論も完璧ではない。知らないことから理論を生むのは難しい。どんなに優秀な科学者でも、こうあってほしいという主観が働く。それが崩れると全部を否定したりする。客観的というのは人間には難しい課題だ。
そして、宇宙は呆れるほど超広大。そのほんのちょっとだけを見ても、他の全部にある現象はわかんないだろう。

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