選挙は、大方の予想通り、自公圧勝に終わったが、民主党がやや議席を増やし、共産党も議席を伸ばした。その分は、第三極と呼ばれた政党のうち、旧みんなの党、次世代の党、生活の党などから持って行かれたもの。
自公与党はアベノミクス政策の継続を訴えたので、それなりに成果を出している以上(恩恵を受けてない人にとってもこれから恩恵が受けられるという期待もあり)、支持を得られたわけだが、野党はいずれも批判するだけでアベノミクスに代わる政策案を全く出さなかった。惨敗して当然だが、それでも民主と共産は議席を伸ばした。
民主は過去の政権時代のまれに見る失政を反省するどころか、それも自民のせいにするなど、信頼を置ける状態ではなく、共産党は時代錯誤の主張と口汚い批判だけで、しかも政権を取る気もない、本来国民に何かをもたらしてくれる政党ではないのだが、それでもこの両党が議席を伸ばしたのは、自民嫌いの人の票を集めたからだろう。感情的な結果といえるかもしれない。この両党が今後さらに勢力を伸ばすかといえば、現状のような党のやり方が変わらないようでは無理。ここらへんが頂点だ。
一方の自民党も、議席をやや減らしたものの、圧倒的勝利だったわけだが、むしろこれからが厳しくなる。アベノミクスが今のように全体に行き渡っていないまま続けば、批判が増大する。その状況で延期した消費税の税率10%を実施に移したら、その後は自民の支持率は大きく下がるかもしれない(その時の野党が今のような無策ぶりではわからないが)。ここからは本腰を入れて、国民の失望を買わないよう政策を進めていくしかない。大勝利が退路を塞いだとも言える。
各国のうち、中韓以外は、概ね自民大勝利を歓迎している様子。世界経済への影響が大きい日本には、安定政権のほうが望ましい。安全保障も同様。中韓も実は安倍政権の勝利のほうが都合がいいところもある。中国はパイプの太い自民党の方が交渉しやすいし、韓国も日本経済の安定化に擦り寄りたいところ。
ただこの両国は国内の政権批判をかわすために日本批判にすり替えているところがあるから、なかなか簡単には行かない。領土問題で対立する中国よりも、日本の誹謗を世界中でやりまくり、民族主義が強まっている韓国のほうが日本との関係改善は難しいかもしれない。ただ、関係改善ができなかったら、より損をするのは韓国なのだが。
なんにせよ、選挙結果が出た以上、今度は与党も野党も、リアルな政策を考え、推進してもらいたい。

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