セブン&アイホールディングスとミレニアムリテイリングの経営統合ニュース。
年末に飛び込んできた大ニュース、と言うほどかどうかは知りませんが、経済界では大ニュースでしょう。
かたやセブンイレブンを筆頭に、イトーヨーカ堂、デニーズなどを抱える企業グループ。元はアメリカの企業だったセブンイレブンはいまも世界最大のコンビニである。
もう一方は、西武百貨店とそごうを統合したデパートグループだ。さらにミレニアムは、野村プリンシパル、クレディセゾン、伊藤忠などが株主だから、それらのつながりもある。
大物同士が合併して世界五大流通小売に名を連ねるグループが誕生する。
海外の超大手小売企業、ようするに巨大資本スーパーは、たびたび、日本市場を狙って進出してきているが、ことごとく失敗に終わっている。その間に国内の流通は大再編され、いまや、イオングループとセブン&アイの双璧に集約され、それ以外の中堅も含めた市場はできあがっている。
日本はここ10数年のバブル崩壊不況で大デフレを起こし、値段がどんどん下がって利益の上がらない時代になった。当然、質も悪くなる。ところが、景気が上向きになる中、デフレ下で目の肥えた市民は、安いのを買う、と言うのとは別に、いいものには金を出す、と言う感覚が醸成されてしまった。
そんなところに、安くで大量に売る、と言う、「いまさら」の戦略で日本市場に入ろうとした米、仏の大手スーパーが、国内シェアを抑えたイオンとセブンに勝てるわけがない。
おそらく、昨今の世界経済では、日本が不況の先頭を切って、今や回復しつつあるため、そのあとで不況に入った欧米の企業が、日本の市場にうまく合わないのは当然なんだろう。
しかし、情報もあっという間に地球を7周半もする時代。
グローバル小売業界では、巨大市場が存在していて、景気も良くなりつつある日本は、おいしい目標に違いない。戦略を立て直し、外資大参入は目の前に来ている。すでに国内中堅企業を買収したり、流通センターを建設したり、着々と足場固めに入っているのだ。
そういうのを目の当たりにして、国内第2位のセブンと、再建がうまくいきつつあるミレニアムが合併して対抗しようと言うのも、わからなくもない。
世界経済は分野ごとに、それぞれ超巨大企業数社で構成される状況が多くなってきている。中堅がなくなり、ベンチャーを含むミニ企業がその下を埋めている状態だ。
企業が減ることは競争が減ることにもなり、値段と質に直接反映されて、多くは悪くなる。仮に人間の活動領域(国際情勢と生活圏)が変わらないままに、製品の値上がりと質の悪化が進めば、ある段階で需要とのバランスが崩壊し、パラダイムシフトが起こって、市場が大きく変化する。その時、新たな無数の企業が生まれてやがて次の市場の主役となっていくようになるだろう。
巨大企業が誕生すると言うことは、同時に、新しい市場と企業が生まれる始まりでもある。今は無名の多くの人の中に、若者の中に、子供達の中に、次の創業者がたくさん隠れているのだ。
セブン&アイ・ホールディングス
http://www.7andi.com/
ミレニアムリテイリング
http://www.millennium-retailing.co.jp/

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