パロマ工業の瞬間ガス湯沸かし器による死亡事故。
会社側は社内の連絡体制の不備から知らなかった、機器は古くなっていて劣化していたから、という説明をしているが、実際には、事故の発生をきちんと把握し、また事故の原因と言われる改造まで教えていたという話すら出ている。
1985年から2005年までの20年間に27件の事故が起こり、20人が死亡した。
死亡率の高さは、これが一酸化炭素中毒だからである。
一酸化炭素は、不完全燃焼で起こりやすい。練炭による自殺や、住宅火災での死亡原因でもある(一酸化炭素中毒で意識を失い逃げられずに焼死する)。
一酸化炭素は、体内に入ると、血液中の赤血球にあるタンパク質「ヘモグロビン」にくっつく。これが酸素よりもずっと強く結びつくため、血液は一酸化炭素ばかり運んでしまい、体中が酸欠になって死亡してしまうのだ。
その濃度はほんのちょっとで致死量に達する。空気中に0.08%あれば意識を失い、0.16%あれば死亡する。1%以上の濃度だと、あっという間に意識を失って3分以内に死亡するほど恐ろしい。濃度が低くてなんとか命は助かっても、低酸素により脳がやられるため、後遺症が残る可能性が高い。
この恐るべき出来事が、台所にある湯沸かし器であっけなく起こってしまうのだ。
人の命が簡単に失われる。この事の重大さを、会社の人は理解していなかったということだろうか。
お笑いコンビ「極楽とんぼ」の一人、山本圭一が、北海道の函館で17歳の少女にわいせつ行為をしたとして警察の事情聴取を受けた事件。この影響がかなり拡がっている。極楽とんぼとしてレギュラーが多かっただけに、テレビ番組の放送変更が相次いでいる上に、今夜、山本が所属し、事件の舞台となった函館に遠征していた社会人野球チーム「茨城ゴールデンゴールズ」が解散の危機を迎えた。監督の萩本欽一がこの事件の責任を取る形でチームの解散を記者団に語ったからだ。解散しないようにと言う要請も出始めているが、こう言うところは非常に生真面目な萩本監督の意向を変えられるかどうかは難しい。
事件そのものははっきりとは明らかになっていない。酒を飲ませた上に乱暴した、と言う話もあれば、複数の男が関わったとも、あるいは合意の上だったが、少女の彼氏が怒ったために、乱暴されたと訴えた、と言う説すらある。乱暴したのなら言語道断だし、そうでないにせよ立場を考えれば行為を慎むべきだっただろうから、批判は免れない。吉本興業は即、山本との契約を破棄したが、なによりも、ゴールデンゴールズの解散は衝撃が大きい。
出演者の私生活もネタにするフジテレビの「めちゃイケ」もさすがにこれは取り上げないだろう。
スポーツ紙などでも書かれているが、極楽とんぼでは、相方の加藤浩次が芸能活動でも、私生活でも、順風満帆なのに比べて、山本圭一の方はキワモノキャラが際立ってきていた。それが原因の一端になっているような推測も立てられている。もっとも、山本はしばしば問題言動で取り上げられているから、芸風と言うだけでは無かろう。
しかし、お笑いとして、キャラのきわどさはウリの一つだが、一方で芸人ではない部分に、なにか悲惨なものを感じさせる。
その意味で、今度のは、芸能界ならではの事件だとしたら、いやな事件だ。だから、欽ちゃんは、あえてチームの解散を唱えて、芸能界、芸能人のモラルをただそうとしたのかも知れない。

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