今回の新潟県中越沖地震。
震源地のすぐそばにあった柏崎刈羽原子力発電所では、トラブルが相次いだ。
変電設備からの出火。出火したのも不思議な感じがするが、絶縁用の油が漏れたのになにかの理由で引火したらしい。しかも、この消火の際、消火用の水の出が悪く、鎮火出来なかったために、消防に通報する自体となった。
2号機では、原子炉給水ポンプのタービン用の油約800リットルが漏洩した。
6号機では、使用済み核燃料プールの水が地震の揺れであふれ、下の階へ流れ落ち、その部屋が放射性物質がない非管理区域だったため、そのまま普通に配水管を通じて日本海へと出た。
さらに7号機の主排気筒からは、ヨウ素131、同133、クロム51、コバルト60の放射性物質が微量ながら検出。原因はよくわからないが、地震に関係していると見られる。
さらに固体廃棄物棟内のドラム缶約100本が転倒。うち2、3本のふたが開いているという。内容物が漏れたかどうかは明らかにされてない。
そしてなにより、同原発の設計を越える揺れの加速度が観測されたと言うこと。実は3月の能登半島地震でも、志賀原発で、設計の2倍の加速度が観測されているのだ。
つまり、原子力発電所の設計は、非常に甘く設定されていると言うことである。今回の被害は、単に揺れが予想より大きかったから、と言う理由だけではないということになる。
それにしても、設計が甘いとはどういうことだろう。想定していなかったというのだろうか。これまで地震の何倍もの揺れにも耐えられる、などと宣伝されていたが、実際には比較的起こる地震の揺れの方が、設計より何倍も大きかった。設計の方が下だったと言うことである。
もし、建設コストを下げるために設計を甘くとったというのなら論外である。が、それが充分想像出来るほど、原子力関係には不祥事が多い。
ただでさえ、原子力は高度な技術が必要なのに、なぜか関係機関の人間は、いい加減に担当したり、不祥事を隠したりするなど、問題が多い。
自然災害の多い日本で、これでは、いつか大惨事を引き起こすこともあり得る。地震の被害よりも広範囲に影響する可能性も高い。
今回、アメリカやロシア、中国でも、この地震のニュースが流れたが、その内容は、地震そのものよりも、柏崎刈羽原発の放射性物質漏れの方が大きく取り上げられた。
それだけ重要な問題なのである。関係者はもっと肝に銘じて欲しい。

0