新潟県中越沖地震で、震源地に近かった柏崎刈羽原子力発電所で、60件以上ものトラブルが発生した。トラブルは、地盤沈下といった状態の問題、設備の破損や放射性物質を入れたドラム缶の転倒といった揺れによって起こった問題、そして対応作業の遅れや放射性物質漏れに関する虚偽報告など人的問題である。
ただし総じて言えば、地震の想定が甘すぎたり、設計が甘すぎたりという、人員配置や訓練不足といった人的ミスでしかない。
新潟県がその後の調査で大気、水質、土壌の汚染はないことが明らかになった、としているが、風評被害によって、農作物から観光に至る広い範囲で影響が出ているとしている。
そこで新潟県は、IAEAの求めに応じて、調査を受け入れるよう、政府に要請した。
IAEAは、今回の事態を重く見ている。実は2005年に、火災対策の不備を指摘しており、対策は採ったとされていたにもかかわらず、今回それが全く生かされてなかったからである。
本来、核の平和利用を推進する機関として存在するIAEAは、核の軍事利用を厳しく監視しているわけで、日本などの核を軍事転用しない国に関しては、かなり甘い基準を適用している。
しかし、今回、地震で被害が出た、というだけでなく、いい加減なことをしていたことが問題視され、「国際的に情報を共有すべきだ」ということで、調査を受け入れるよう求めてきたのである。
これは、はっきり言って、日本の恥だ。
ちゃんと管理出来ない国、と言うことなんだから。
要請に対し、政府は調査など必要ない、ということで見送るという話だが、官僚らのプライドばかり高くて、どうしようもないところで格好を付けているようなものだ。
そう言う体質が問題なのである。
世界中の監視の中で、IAEAの調査を受け、エリート官僚どもが徹底的に恥をかき、今後は真剣に対応出来るような体制を作ってもらう方が、日本のためである。

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