政治の世界は、歴史的に見れば、時に大変動が起こることは、珍しくもないことで、政変が起こったり、有力者が没落したり、思わぬ人物が登場したり、勢力図がひっくり返ったり、日本の歴史だけでも、邪馬台国の王位を巡る混乱から、今日の政治騒動に至るまで、数え切れないほど事件がある。
とはいえ、今年は、政界での事件はとにかくたくさんあり、ひどく集中した年だったと言える。
柳沢大臣「産む機械発言」事件、松岡大臣「ナントカ還元水」事件、「基礎年金番号5000万件記録不明」&「社会保険庁職員多数着服発覚」事件、松岡大臣「現役大臣自殺」事件、「緑資源機構汚職」事件、久間大臣「原爆投下仕方ない発言」事件、赤城大臣「事務所費問題&謎のバンソウコウ逆ギレ」事件、遠藤大臣「たった8日辞任」事件、「参議院選挙自民大敗北」事件、安倍総理大臣「所信表明直後の辞任」事件、麻生総裁候補「アルツハイマー発言」事件、「自民・民主大連立構想&小沢一郎ブチ切れ辞任騒ぎ」事件、「守屋前防衛事務次官汚職」事件、「年金問題4割解決困難発覚&公約大したことない発言」事件……。
ほかにも各政治家の事務所費問題から、議員の性的関係スキャンダルから、UFO騒ぎから、とにかく、これでもかと「小さな」事件が頻発した。
日本の行く末をどうするかで意見対立して政変が起こるような問題ではなく、政治家個人のひどくくだらない、狭くて小さな事件のオンパレードである。大衆週刊誌が喜びそうな、と言った方が似合ってそうな事件ばかりだった。いやいや、週刊誌編集部の方には大変失礼な発言でした。年末年始もお忙しいことと思います。がんばってください。
政治家も、親子孫と血族で代を重ねて、すっかり遺伝子レベルから腐ってしまったのか、大物は一人もおらず(小物の代表のような森元首相なんぞが元老気取りなくらい)、小さな御器量の持ち主達が、東京都千代田区永田町付近の小さな領土争いに終始するような、そんな程度になってしまった。
国民がこの政治のあまりにもひどいていたらくを見て、参議院選挙で票を投じた結果、見事、自民党が大敗北したものの、当の自民党は国民の不信感がよく理解出来ていないような知能レベルの対応が現在まで続き、では大勝利した民主党が政権を担えるほどの政党であるかというと、大連立騒動でミソは付けるわ、相変わらず国会で対案を出さないわ、中国に大挙詣でて歓迎されたとして感涙するわ、情けないの一言に、国民もすっかりしらけムード。そんな雰囲気を察したか、衆議院選挙で勝てる自信がなくなってきたのか、参院選直後の勢いはすっかり影を潜めてしまう始末。
靖国参拝はしないと明言した福田首相も、民主党に続いて中国参拝は実施し、ガス田問題の話し合い継続と新幹線車両の大量発注に意気揚々と、山東曲阜の儒祖孔子廟に詣でて、蛮族の使節団、中華帝国に朝貢す、と言った感じ。
歴史上の朝貢外交では、中国皇帝から豪華なおみやげが送られるわけで、それが貿易となるほどだったりしたのだが、今回に関して言うと、新幹線はともかく、東シナ海のガス田に関しては、日本はこれまで開発もな〜んにもしてこなかったのを、今になって慌てて領海だから権利をよこせ、とかなんとか文句を言っても、独自に莫大な投資をして開発した中国にとっては、いまさらなんだ、って気分だろう。進展するとは到底思えない。
まあ、中国に手玉に取られなければ、日中友好も大いに結構なことだが、果たしてどうだか。
この国際情勢、生き馬の目を抜くような激しい競争と、一癖二癖三癖もある各国首脳を相手に、どれだけのことがやれるのか、お人好しで勘違い系の日本政治家には不安を禁じ得ない。
2008年は、経済やスポーツはまだしも、政治外交の世界では、日本が世界から軽〜くスルーされてしまうような、そんな予感がする。

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