十和田湖で、白鳥3羽が死亡し、1羽が衰弱しているのが発見され、検査にかけられていたが、秋田県と環境省は、これらの鳥から、高病原性鳥インフルエンザのH5N1型ウィルスが検出されたと発表した。
周辺では、鳥に近づかないよう案内が出たほか、鳥を飼育している人に、注意を呼びかけている。
今回の事例は、当然の事ながら、野鳥づたいに感染があったものと考えられる。
鳥インフルエンザは、比較的頻繁に発生しており、最近でも、去年、熊本県でクマタカが死んでいるのが発見されている。
元々アジアで発生し、世界中へ拡がることが、研究でわかっている各インフルエンザウィルスであるが、鳥インフルエンザも例外なく、すでに世界中で感染が報告され、人間への感染も一部で発生し、人から人への感染も、わずかだが、確認されている。
感染発症者は、非常に高い確率で死亡しており、その死亡率の高さは、他の恐れられている病気の比ではない。
鳥・人感染は、非常に低いが、可能性はゼロではない。しかも、人・人感染が本格的に始まったら、おそらく国内で64万から300万人くらいが、世界では2億から5億人くらいが、死亡すると考えられている。
シャレにならない事態だ。
基本的に、野鳥を経て、感染は拡がる。
そして、どこにいるどれほどの野鳥が感染しているのか、予想が出来ない。
去年のクマタカや、今回の白鳥などは、ある意味、目立つ鳥だからこそ、発見されやすく、かつ不審をもたれやすい。
しかも、どちらも内陸部での発見である。
すなわち、そこまでのどこかで、他の鳥から感染し、あるいは、他の鳥へ感染している可能性が高いのだ。
人知れず、山奥の森の中で、あるいは、大陸の原野のどこかで、さらには、海の上で、野鳥がばたばた死んでいても、気づかない恐れもある。そして、死ぬ前に他の鳥へ感染し、それがさらに他の鳥へと拡がり、海を渡り、あるいは里に下りてくる。
政府は、世界に先駆けて、すでに開発が進んでいる鳥インフルエンザワクチンを医療関係者へ投与することを決めた。先行実験を行い、影響の有無を調べ、その上で大規模に投与する計画だ。
医療関係者は状況から、パンデミーが始まったら、真っ先にやられる可能性が高く、医療関係者がやられることはすなわち、医療体制の崩壊、ひいては感染爆発の拡大、死亡者の増加につながる。
死者が増えれば、社会は機能停止し、さらに混乱や破綻を招くことになる。経済は滞り、感染拡大が国内であったら、世界中から貿易を止められるだろう。そうなってしまえば、感染が収まっても、社会が手痛いダメージを受ける可能性もある。日本は、食糧難から、治安の悪化、技術喪失なども手伝って、世界最貧国へ転落である。
こういった可能性は、専門家の間ではおそらくわかっているだろうし、かなり素人市民的にも広く想像はされてるだろうが、まだまだ危機感は一般的ではないはず。
野鳥を皆殺しにするわけにはいかないのだから、ウィルス研究は別にして、人間への感染を出来るだけ回避することに努力するしかない。
同時にこれは、一連の原油や穀物、資源の高騰、などともあわせて考え、いざというときに対応出来るよう、国内でいかに生産力・自給率を高めるか、その研究と論議もしなければならない、全体的な問題である。

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