気象観測用衛星はひまわりという。植物のヒマワリと、一日一回地球を回ることから「日周り」と言う意味があるらしい。
このひまわり、現在は6号機をメインに、7号機をバックアップとして使っている。
6、7両機は、単なる気象観測衛星ではなく、航空管制なども行う運輸多目的衛星である。
関税問題と宇宙開発の市場国際化によって純国産の衛星がコスト高になったため、アメリカから輸入することにしたのだが、運輸多目的という条件を付けることで、国土交通省から予算を確保したのである。
ところが、6、7両機とも、航空管制はまだ先だが、気象観測としては、寿命が近づいている。
そのため、後継機の開発を急がなければならないのだが、ここに来て、国土交通省が開発からはずれることになったため、予算が確保出来なくなっているのだ。国交省がはずれた理由は、航空管制の次世代通信方式が議論中なため、と言うことになっているが、正直、金を使いたくないというのが本音だろう。次世代方式が議論中だと言っても、衛星通信が必要ないわけではないからだ。
以前、6号予定機の打ち上げ失敗と5号機の寿命により、気象観測が出来なくなったため、アメリカの衛星を一時借りていたことがあるが、今回は、アメリカも消極的だ。
ひまわりは、単に日本の気象観測をしているだけでなく、東アジア、東南アジア、オセアニアの気象観測にも利用されている。
ひまわりが使えなくなると言うことは、国際的な問題なのだ。
しかるに、政府省庁も、政治家も、全くこの問題をほったらかし。
かつては、官僚は官僚なりに、お国のためにいろいろ推進したものだ。政治家も同様である。その陰で民衆が苦しんだことはあっても、少なくとも、国家のためになにかを為そうというところだけは、政治家も官僚もまじめだった。
いまや、それすらない。官僚は省庁内の狭い範囲での権利争いに汲々し個人の腐敗ばかりが横行している。政治家は政治家で党利党略ばかりで、特に野党は国会もまともに出席しなくなっている。貴重な法案の多くが廃案になっているのに、国民の支持があるとか言っているところが驚きだ。
予算縮小や政策の動きやすさから、「小さな政府化」というのが昨今、政治の目標となっているが、その前に、政治家や官僚が小物化してどうするというのだろう。
地球温暖化で、今後、気象は重要度を増していくのは間違いない。
気象庁はまじめに次期衛星開発のための活動を行っているが、他の省庁も民間も非協力的だという。民間は、金になると思ったら動き出すだろう。だが、それも所詮、金が目的だ。
日本もいよいよ没落してきた。
今回のG8サミットは、環境サミットであり、日本が主催国であるが、こんな体たらくである。数年後には、先進国の一因とみなされなくなっている可能性も充分高い。

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