いま、政府が、公開で事業仕分けの審査を行っている。
無駄な公共事業がないか、官僚の報告を受けて、与党議員や識者らが判断するのだ。
無駄な公共事業を排する、というのは、現政権の公約でもあるし、実際、無駄な事業はたくさんある。必要な事業に予算を回すためにも当然、と言う意見は強い。
のだが、
なんかおかしい。
ほとんどド素人の議員が、官僚の説明もろくに聞かずに、なにやらとんちんかんな批判ばかりして、どんどん廃止だの中止だの削減だのを決定している。
官僚の天下りを即刻禁止しろ、とか偉そうに言ったりしているが、その民主党が、郵政会社とかに「党幹部の知人の」官僚を充てている。
そして今日、耳を疑ったのが、スパコンの開発中止だ。
仕分けを決める側の議員や識者が言うには、仕様がどんどん変わるのはおかしい、世界1位を目指す必要があるのか、予算の無駄遣いで、中止すべきだ、という。
確かに、自治体の導入するコンピュータなどは、あからさまに無駄なのがある。ふつうのOSで出来るところを、わざわざ専用のソフトを開発させて導入、なんて話はよく聞く。
だが、スパコンは話が違うだろう。
激しい競争と需要の変化がある分野だから、開発途中で仕様が変わるのも当たり前の話だ。
スパコンは、その速さで国際競争がある。だが、これは単に速さ世界一を競うためだけに開発されている訳じゃない。計算速度の速さは、すなわち、分析力に直結する。気象分析、医薬品の開発、特殊素材の設計、その他様々な分野で使われており、国民の生活にも直結する科学技術だ。
速ければ速いほど、結果も速く出て、それが他国に先駆けて特許となる。特許を取らなければ、単に他国の後塵を拝するだけでなく、市場を失い、特許料を払わなくてはならなくなり、薬や日用品の値段まで高くなる。これがどれほどの影響になることか。
あんな素人議員が、何を根拠にスパコン開発に異議を唱え、中止を決めるというのだろう。
日本は技術を失ったらなにも残らない国だ。
今の日本があるのは、無謀に思えても、技術開発に果敢に挑戦してきた過去の遺産があるからだ。戦後の廃墟から立ち直れたのも、旧軍から民間へ降りた多数の技術者の努力があったからである。そしてそれを政府が支援してきた。通商産業省などはまさに技術と貿易と経済のための省庁だった。
技術を抑制したら、日本は終わりである。3流国に落ちぶれて、1億の人間を養うことも不可能になるだろう。
この際、はっきり言うが、社民党を政権に加えるな。あんな能力もなく、狭い見識で批判ばかり繰り返す政治家の集団など、日本にとって害悪でしかない。それに同調する「自称知識人」もだ。このままではなにも為さずに、破壊だけして、日本を没落させるだけだぞ、鳩山政権は。

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