大盛り上がりに盛り上がった女子フィギュアは、キム・ヨナの金メダル、浅田真央の銀メダル、ジョアニー・ロシェットの銅メダルとなった。アメリカ代表の長洲未来が4位、安藤美姫が5位、鈴木明子が8位。
日本代表として出た日本人フィギュア選手は、男子・女子の6人が、全員入賞したことになる。
金メダルは逃したけれど、おめでとうと、ご苦労様の言葉を贈りたい。
キム・ヨナはミス無く滑り終えて合計228.56点の高得点を出した。浅田真央は二度のトリプルアクセルを成功させたが、途中若干ミスがあった。それでもこれだけのストレスの中で、205.5点を出し、堂々の銀メダルだ。母親が亡くなったばかりのロシェットも202.64点とこのメダリスト3人がずば抜けていた。安藤はもう少し点が伸びるかと思ったが、評価は抑え気味だった。
浅田真央もキム・ヨナも自国の応援の重圧が相当だったろうから、その精神力はかなりすごいと思える。トリプルアクセルでは、記録更新をしている。浅田真央は2009年、非常に状態が悪かったから、随分回復したと言える。
今回は男子も女子も技術に挑戦した選手よりも、全体的な出来が評価されてるような感じだが、まさに大死闘だった。
浅田真央は終わったあと悔し涙を流していたが、むしろそれがかっこよかった。織田信成もそうだったが、悔しさをにじませる選手は、さらに伸びるのではないか。安藤美姫など自らの実力を認めて、負けを認める選手も立派だが、他の競技には負けてもはしゃいでいるような選手もいて、正直どうかと思う場面もあった。もちろん悔しさを隠したのもあったのだろうが。しかし、さすがにメダルをかけるレベルになると負けず嫌いなところも人一倍なのだろう。そうでなければここまでにはいかない。
キム・ヨナは今後について、引退説も流れてるが、最高の状態で引退すれば傷が付かない、と言う考えがまわりにあるのだろう。本人はどう考えているかわからないが。彼女も浅田真央もまだ十分次を狙える年齢だ。4年後でも23歳。荒川静香がトリノで金メダルを取ったとき、24歳だったことを考えると、チャンスはあるし、まだまだ伸びるのではないか。
日本は選手を育てる環境が非常に悪い。
メダルを取れたから、政治家らも祝福しているが、なんの支援もしていない。
フィギュアはある程度、体制が整ってはいるが、他の競技は悲惨だ。選手はアルバイトしながら練習している。
フィギュアですら練習場が少ない。民間の施設か、大学が作った施設でやるのが普通。景気の悪化でスケート場は減っている。
韓国では、キム・ヨナがずば抜けてよかったため、ある意味第一人者になったが、その結果、フィギュアが盛んになるのは確実で、国家や自治体が支援するのも明らかだ。すでにキム・ヨナの出身地の自治体がスケートリンクを作ることを表明している。
日本では荒川静香が金を取ったときも、フィギュアの支援体制はよくはならなかった。
民主党は事業仕分けで、「メダルも取れないようなマイナーな競技に金を出すのは無駄」とまで言って支援を削減しようとしている。
某東京都知事のように、番組で日本選手に対し「金メダル取れよ」と顔をしかめて批判するなど、支援はしないのに結果ばかり求めるような風潮がある。国家支援で通年練習が出来る国も多いのに、生活費稼ぐのに必死な選手に精神論だけで勝てとでも言うのだろうか。
これでは今後もメダルはなかなか難しいだろう。
メダルを取れば、それだけで社会は昂揚するし、直接・間接の経済効果も莫大。
何億もの金を私的に使って「知らない」とか言って地位にしがみつく政治家は国家の役には立たないが、メダリストは国家のためにもなるし、国民の元気もでる。
選手にとってよい環境が出来るような国家体制になって欲しいものだ。

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