バンクーバーオリンピックで、非常に見てて面白いのが、女子カーリング。
映画のモデルにもなった伝説のチーム(?)シムソンズの系列を受け継ぐ、チーム青森が大活躍。
現在3勝3敗で4位タイ。
今日はロシア戦とドイツ戦があり、ロシア戦では逆転で勝ち、ドイツ戦では僅差で負けた。
長野ではじめて正式競技となったスポーツだが、歴史は非常に古い。スコットランド発祥と言うことだが、現在の競技の原型、ルールなどはカナダから来ている。そのため、カナダは非常に盛んで強い。
他の競技との大きな違いは、ジャッジがいないこと。見た目ではわからないような微妙な位置取り以外は、選手同士が確認しあって勝敗を決める。大幅に点差が付いて取り戻せなさそうな場合は、ギブアップを宣言する。お互いを尊重し合う競技なのだ。
この競技、急速に人気が上がっている。マスコミが盛んに取り上げているのもあるが、他にも以下のような理由があるのではないか。
まず、勝てるチャンスがあること。
他の競技では、事前の選手のランキングに沿ってメダルを争うことが多く、番狂わせがほとんど無い。
カーリングの場合、世界ランキングで日本は9位。
しかし、このランキング、ほとんど関係ない。
どの試合を見ても、他の国同士の試合でも、勝敗は微妙なショットのミスで決まっている。基本的には後攻の方が有利だが、得点するかどうかで先攻後攻は決まるため、それも作戦となってくる。相手がショットをミスすると先行でも点を取れることが多い。ランキング上位相手でも十分勝てるチャンスがある。
次に、ハラハラ感。
試合の多くが、僅差での勝負になる。取ったり取り返したりの状況で、見ていてどきどきハラハラする。各エンドの時間が長いことも、あっという間に終わる競技が多い中では、じっくり見ることが出来るのも、ハラハラ感を増していると思う。
そして、参加型であること。
カーリングは知らない段階では単なるおはじき試合のように思えるが、実は、ストーンをどこに置くかで、その後の展開が大きく変わってくる。試合が進むにつれて頭を使った結果の変化が目立つようになるのは、チェスや将棋などと同じだ。競技の特性から、画面は上から見たものが出てくるため、視聴者も、次にどういう配置にすればいいかを考えることが出来る。もちろん、ショットはしない無責任なものではあるが、見ている人も一緒に考えるところは、知的な楽しさがある。音声に入ってくる競技メンバーの会話や、解説者の説明も、考えの参考になる。
ここまで人気が出ても、ネットなどを見ると、案外、興味がない、ルールを知らない、と言う人も多い。
しかし、これははまりやすい競技だ。したくなる人もいるだろうし、見ているのが楽しい競技でもある。競技者が叫ぶあの独特の言葉もわかるともっとおもしろい。
再放送とかでは最後の場面だけ流すことが多いが、ぜひ、頭から見せて欲しい。その方がずっと面白いと思う。

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