国立社会保障・人口問題研究所は、人口推計を出し、50年後の日本は、人口が4000万人も減り、8674万人。さらに65歳以上の高齢者の割合が、39.9%に達し、一人が高齢者一人を支える異常な状況になります。
労働力が減ることが大きな問題になっているわけで、経済活動の衰退、税収の現象なども指摘されています。
経団連などは労働力を当てにした移民の受け入れなども提言しています。
もっともそれをすれば、高齢化で弱っている日本人に対し、移民の力が増すだけで、経済状況はさらに悪化するのは眼に見えているわけですが。
しかし、それ以上に恐ろしいことを誰も指摘してしないのが不思議なところ。
つまり、子供がいなくなるという事実。
出生率は最低ラインに達しているから大きな変動はないものの、全体に見える子供の比率は、人口が減っても、さらに減るわけで、社会に子供が少ない風景が広がる。その空虚さ以上に、大げさでなく、人類という種族の存続に対しても、影響が出てくるかもしれない。
おそらく、出生率上げるには、次のような条件が必要なのだろうと思う。
☆女性の出産を支える仕組み
女性の社会進出や権利の上昇は、男女平等としては正しいし、有能な女性には相応の評価を与えるほうが社会の発展によいが、一方で、出産の低下に少なからず影響を与えているのは間違いないわけで、それを支える仕組みは必要。また、子供を産みたがらない女性の存在が増えていることは、今は女性差別と受け取られかねないので、誰も口にできない問題だが、このままでは、いずれ問題視されてくるのは確実だろう。少子化が進めば、どこかでふたたび女性の地位が低下しかねない事態もあるかもしれない。
☆経済の回復
やはり収入が乏しければ、結婚しない、子供を作らない、という人が増加するのは間違いない。昔は貧乏でも、子沢山というのが基本だったが、一旦豊かさを経験した人々、社会にそれは難しい。
☆フロンティアの開発
社会が行き詰まっていることが様々な問題を引き起こしている。
たとえ生活が困難でも、魅力ある新しい世界「フロンティア」は、人類としても活力を与える。おそらくは出生率も高まるだろう。たとえば植民地。といっても海外へ侵攻するわけには行かないので、高度な情報・エネルギーを生み出す未来の人工都市、メガフロートのような新たな土地、有人の宇宙ステーションや月進出など。
荒唐無稽なように見えるが、荒唐無稽だからこそ、いままでにない新たな魅力もある。スカイツリーだけであれほど大騒ぎになるのだから、宇宙への有人進出も日本独自にやるべき。
経済の回復もはかれる。
☆高齢者の引退
高齢化社会に対応した高齢者向けの政策も一つの考え方だろうが、若者や子供に夢をもたせるような政策の方が重要。
年金の負担を減らすために定年を上げて、高齢者が働ける社会を作るよりも、高齢者にはどんどん引退してもらい、その空いたスペースを若い人に埋めてもらうほうが、将来のためになるし、人口の回復にもつながる。年金問題も若者の収入が増えれば補っていける。年金は、一時的に税金を当て、その代わりに高齢者には半ば強制的に引退してもらい、若者の社会進出を促す。
できれば団塊の世代には、自ら身を退く決意を固めてもらいたいものだ。
彼らがこの衰退に向かっている社会を築いたのだから。
若者が苦労して収めた年金を受け取ってカラオケやゲーセンに遊びに行く老人が増えるのは異常な社会。
老人は、若者を導き、その背中を推すのが役目。
今の高齢化社会はなにか歪んでいるようにしか見えない。
高齢化社会の問題は、まさに高齢者の存在にあるといえる。残酷なようだが、それが現実だ。

0