今朝、北朝鮮はミサイルを発射した。
ミサイルは第二段ロケットの切り離しに失敗し、空中で分解。韓国西岸沖合の海上に落下した。前回の打ち上げより悪い結果となった。
経済制裁もあり、物資が乏しい中では、品質も落ちているのではないかとみられる。
北朝鮮は、昼過ぎ、失敗を認める放送を行った。一方で招待していた外国記者団には一切説明をしなかった。
失敗を認めたのは意外だが、さすがにこれだけ大々的に宣伝した結果なので、ごまかしようがなかったのではないか。
このあと、金日成と金正日の巨大な銅像の除幕式にキム・ジョンウンも出席し、あまり厳かな演出もしなかったが、発射の失敗もあって、派手に出来なかった、という意見もある。キム・ジョンウンの体制スタートと金日成生誕百周年が台無しになったというわけだ。
とはいえ、これですぐに体制が潰れるかというとそれは考えにくい。逆に国民には失敗もある、という度量を見せることで抑えることは可能だし、海外に対しての交渉材料には、核実験という次の手がある。また失敗を認めることで、海外からの批判のトーンを抑えようという意図もあるのかもしれない。ロシアや中国は北朝鮮への圧力に否定的な意見を出している。
今回の発射には、もう一つの「失敗」がついてきた。
それが、日本政府による情報伝達の失敗だ。
米軍の監視衛星の探知、分析、韓国軍と自衛隊への情報伝達、までは予定通り機能したのに(PAC3部隊は直後に反応している)、そのあと、政府から全国へ情報を開示するJアラートもエムネットもなんの反応もなかった。
どうも情報が間違っていた時のことを考えて、分析をしていたらしい。その間、韓国とアメリカは報道も行なっていた。日本も一部民放がそれらの情報を下に報道を開始したが、NHKの対応も妙に鈍かった。
正確な情報の伝達は必要だが、緊急に人命に関わる場合は、情報の精査よりも、情報を発信することを優先すべきだ。今回のような場合は、発射した、避難せよ、というのが重要であり、仮に間違っていたとしても、それは問題ではない。
そのことは、去年の大津波で、「ほんとに大きな津波が来るのだろうか」という曖昧な判断が、報道にも微妙なトーンで伝えられる結果となり、危機感を感じなかった市民が大勢犠牲になったのでも判る。
おそらくは、間違った情報を発信した場合の、責任問題を恐れたのだろう。
日本政府は確認していません、という発表の仕方でもそれがよく分かる。
特に、一番危険性の高かった沖縄への情報伝達がなかったのは、沖縄を軽視しているという批判が出かねない。沖縄防衛の折角の機会でもあるのに、これでは逆効果になる。
あとから批判はいくらでも出来るとは言っても、今日の失敗は、大いに批判に値する。
国民を守るのが国家の仕事なのだから、ここはきちんとするべきことだった。

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