スペースX社の宇宙船ドラゴンが無事宇宙ステーションにドッキングし、ハッチを開いてステーションの乗員3人がドラゴンの中に入った。今後数日をかけて500kgもある物資を順次ステーション内に運び込み(無重力といっても質量の大きなものを運ぶのは大変だもんね)、その後、地球に帰還する。
ドラゴンの技術はさほど目新しいものではない。それが民間でもできた理由の一つだが、NASAや米政府のバックアップも大きい。今後数年で十数機を打ち上げて、2015年ころから有人飛行を開始する予定。
日本のHTVこうのとりも、物資輸送船だが、ドラゴン同様、乗員が中に入って運び出しをするので、気密区画がある。十分有人宇宙船に改良できる構造になっている。開発も三菱重工など民間の力が大きい。もともと非軍事用で発達した日本のロケットは、民間企業の力なくしては出来なかった。
ドラゴンとの違いは、日本政府が支援に冷たいことだ。スペースシャトルの引退は早くからスケジュール化されていたのだから、こうのとりの活躍の場が広がることは予想できたのに、その段階で政府の事業仕分けにかけられてしまった。天下りなどの人事の予算が問題なら、それを技術に回すようにすればいいのに、民主党はその予算を削って、自分たちの政策に回している。こうのとりは、未だ2機しか打ち上げていない。
いまからでも、政府の支援も加速し、こうのとり(H−IIB)を年に2機、他に衛星搭載のH−IIAを年に5機くらいはいけるようにしてほしい。
ちなみに先日H−IIAで打ち上げられた韓国の衛星は無事軌道に乗り、H−IIAの安定性の高さを証明したわけだけど、韓国では報道で、打ち上げシーンの映像や画像を加工して、NIPPONの文字や日本の国旗などを消したらしい。せこい国だ。だから韓国はロケットだけは北朝鮮よりもはるかに遅れているわけである。
ロケットだけでなく、軌道エレベータの研究も本格化してきている。
これも、強大な重力と遠心力を支える材料の強度の問題さえクリアすれば、現状の技術でも出来ないことはない。材料はナノマテリアルの研究に期待がかけられている。建設コストもロケット十数機を打ち上げるよりは安いのではないか。もちろん、完成すればロケットに比べ、輸送コストは圧倒的に低い。
マンガやアニメ、映画の世界でも、宇宙ネタが人気を博している。
宇宙開発が大国の威信や軍事技術の競争によって行われてきた時代が終わり、リアルに民需へとシフトし始めたのだ。宇宙での生産、資源獲得、そして民間人が宇宙へ行くことが可能になってきたわけである。
こういう時こそ、率先して日本は関わっていくべき。
政治家や官僚が無能でそれが出来ないなら、規制を緩和して民間の競争を促すべきだろう。

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