出版業界はずーっと不況と言われてきたが、去年辺りから、一段と厳しいそうな。
一方でアマゾンの進出や、グーグルの図書館プロジェクト、電子書籍の普及が話題になっている。
話題になるのは、新しい試みだけでなく、日本の出版業界との間でトラブルが起きているからだ。
著作権の問題はもちろんあるが、新しいビジネスについていけてない、というのもある。
小説が売れなくなり、マンガが売れなくなり、雑誌も売れなくなっているとか。
小説では比較的好調だったラノベもだんだん厳しくなっているという。
出版社、編集プロ、印刷会社、卸、書店という、業界の持ちつ持たれつな体制も、コストが大きくなってしまい、また、身軽な方針転換ができずにいる。
ただ、それがすべての要因というわけではないが、これ、売れるのか、という本も多い。
雑誌とか、ラノベ等は、内容が似たり寄ったりが多く、挑戦的に出されて読者に受け入れられたあと、これが売れ線とみて、同じようなものが次々と出てくる。ひどいのになると、完全に文体をパクったものまで出て、あとで大問題になったりする。これでは、編集作業が、作品を良くするためにするのではなく、単なる製本になってしまっているような感じだ。編集者が内容を把握していないのだから。
芸能人の書く本のような、一過性なものも多い。
面白くなければ、売れなくなるのは当たり前。
一部の人気作家の作品だけが、かろうじて、継続されているというところだ。
新しいものを生む冒険をなかなかしなくなってきているのは、あるかもしれない。
努力しているが、市場の反応が導けず、編集者も読者の求めるものと噛み合わなくて、混乱しているのかもしれない。
小説賞など公募を盛んにしているので、新たな作家を発掘しようという意欲は高い。
出版社が出版する意欲が残っていることは重要だ。それをやめたらいよいよ終わりである。
概念的な話だけど、読者を惹きつける内容、宣伝する力(一般市民の目にとまる手法)、手に入れる時の簡便さ、が成立していれば、十分市場はあると思う。紙の本でも、電子書籍でも、これは変わらないと思う。

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