両生類の世界に異変が起こっている。
ツボカビ症という両生類に感染する病気が拡大しているからだ。
致死性の病気で、北中米では、特定の地域にのみ生息していたカエルなどが絶滅に追い込まれている。オーストラリアでも被害が甚大だという。
日本でも、昨年暮れになって3件のペットへの感染が確認されている。
12日には、日本野生動物医学会や世界自然保護基金(WWF)ジャパンなど16団体が、緊急事態宣言を出して、政府に対策を求めている。
国際自然保護連合(IUCN)によると、世界中に生息する両生類5743種のうち、120種が1980年以降に絶滅したと推測されていて、残りのうち1856種に絶滅の恐れがある。その原因の一つが、このツボカビである。
確認されたのは比較的最近だが、古くからあったと見られており、実験動物としても有名なアフリカツメガエルに感染する病気だった。それが世界中へ運ばれて漏れ拡がったと見られる。
両生類は生態系の重要な位置にあり、農業に深刻な影響を与える害虫を補食する生き物でもある(もっとも、日本などは農薬のせいでカエルそのものが激減したわけだが)。両生類が激減することは、その下に位置する昆虫の大発生を招いて、農業生産力の低下と、昆虫媒介の病気の蔓延を引き起こし、両生類の上に位置する爬虫類、鳥類、哺乳類にも影響必至だ。
たかがカエル、されどカエル。カエルの身に起こる悲劇は、近い将来の人類の運命とも重なる。
対応策は緊急だが、うまい方法が見あたらないのが実情。すでに外国では、両生類を捕獲して、動物園で隔離保護する「箱船計画」が始まっているところもあるのだ。
今日、先の選挙で予想外の大勝利で当選した東国原英夫(そのまんま東)氏が宮崎県庁に登庁したが、その初日に、大きなニュースが飛び込んできた。それが、宮崎県における第二の鳥インフルエンザ感染の疑い、と言うもの。
先の清武町から60kmほど離れた日向市東郷町の養鶏場で発生し、簡易検査で陽性反応が1羽、疑陽性が4羽ほど出ているという。清武町の場合、中国青海湖のほとりで見つかった野鳥の鳥インフルエンザとほぼ同じものだったため、野鳥が原因と考えられる。鶏が野鳥と接触したか、野鳥の糞などを人間や車両が踏みつけて鶏舎まで移動したのだろう。渡りの季節だけに、宮崎だけでなく、他県でも発生する可能性が濃厚になってきたわけである。発生源の周囲を封鎖するだけでは対応しきれないとも言える。
経済への影響だけでなく、鳥類、人間への感染も注意しなければならない。
今年の暖冬は、予想を遙かに超えている。積雪量が異常に少ないまま、すでに植物などに春の予兆が見え始めている。春に渇水もあり得るだろう。東京では、気象台が観測を始めた明治以来、雪が降らなかった年は一度もないが、今年はその可能性が出てきているという。
世界中温暖な状態で、モスクワでも雪が降らず、サンクトペテルブルグでは、普段凍る川が凍らず、雨と雪解けで洪水が起こっている。ニューヨークでは気温が20度になった日もあった。
温暖化対策は、かなり手遅れの段階であるとは言え、いまだにその温暖化に危機感を感じないでいる人が多いのが驚きなほど。予想の範囲内、科学的根拠はない、といった論はどんな問題にも出る意見だが、その結果は大抵最悪の場合が多い。
カエルも、鳥も、人も、もう目の前に危機が迫っているのだとしたら。
来年が平穏な年ではなくなっていると言うことだってあり得る。
覚悟して今のうちにかなり思い切った対策を練ったほうが良いのかもしれない。

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