審査が終わり、演武会には少し間がある、一息ついた今日この頃。
稽古日誌100号突破記念と暑気払いに、取りとめのない道場話を。
…暑気が払えますかどうか。
題して、
アイキスト達の風景
その一
相手が決まって稽古はじめるときに、まず何か話をしているという組が
たまに居ます。
技についての話でしょうか。
その技が両手取りだったりすると、特に男性の場合は、男同士で両手をとりあって見つめ合って何をしているんだろうという風に見えてしまう。
身に覚えのある方お気を付けください。
はっきり言って変です。
別にお二人の邪魔はしませんが、道場ではちょっと…。
しゃべってないでさっさと稽古を始めなさい、
ってことでしょうか。
その二
逆半身片手取りで、転換して腕を振り上げて振り下ろす呼吸投げ。
前受身を覚えたての頃、受身練習によく使われるものですが、
ある年配の初心者の方と、この技で受身の稽古をしておりました。
数回投げて受身をしてもらったあと、
『投げる稽古もしましょう、今度は私が受けをします』
という事で、私が投げてもらいました。
その初心者の方は、転換して上手に投げた動作のそのまま、何を思ったか私が受身をするのと同じタイミングで自分も受身をしました。
おテテつないで、おじさんが二人仲良く前受身。
他の人にはどんな風に見えたのでしょうか…
はっきり言って、変ですよね。
自分でやりながら大笑いしてしまいました。
投げて受身もした本人は顔色も変わらず、
いたって真剣なだけに余計…。
その三
杖をもって道場に行く途中、知り合いの人に出会って挨拶をすると、
『今から釣りですかぁ?』
『え?…ああ、まあ。ははは』
自転車ですれ違う時にするには難しすぎる説明です。
ごまかすつもりはないんですが…。
その四
昇級の免状授与があったあと、初めての審査で昇級した人が自分の免状を探しています。
道場の壁際に置いてあったのが無くなったらしい。
誰かが間違えて持っていったのでしょうか。
どうしても見当たらない。
『ありゃ―、気の毒に。もう一度受けなおしだね』
と、近くに居た人。
なくした本人はとてもがっかりした顔でした。
受けなおしのはずはないけど、結構きつい冗談。
その五
本人から聞いた話。
この本人は稽古好きで有名な有段者。
あるとき車で走っていて検問にあったそうです。
『トランク開けてください』といわれて開けると、中には木刀を入れてある。
杖も短刀も。
しかも木で出来た稽古用の短刀ではなく、光っていて本物のように見える模擬短刀。ちゃんと塗りの鞘に納まっている。
おまわりさんはさぞかし不振に思ったでしょうね。
さらに見ると居合用の模擬刀があり、本物の刀まであったとか。
…おいおい。
そのあと、どんな事になったのでしょうか。
仕事中でしょ。
稽古熱心もほどほどに。
それにしても釈放してもらえてよかったよね。
結構、顔が怖いんだから。あなたの場合…。
その六
ある日のある支部道場。
その日の最初の稽古は正面打ち入り身投げでした。
その日始めて稽古に来られた女性の新入会員の方が、
(袴を着けておられたので初心者ではないですが)
『お願いします!』と立ち上がって正面打ちをしようと一歩踏み込んだとき、滑ったのでしょうか、
『あら―っ?!』という声とともに転んで、最初の一歩で足首を捻挫してしまいました。
なかなか年季の入った“こけ”だったのですが、だいぶつらそうで、立てません。
そのままにしておけないので、居合わせた方の一人がオンブをしてうちまで送っていきました。
そのとき初めてお会いしたその方とは、それ以来お会いしていません。
もう20年以上前の話です。
…その方の技、見ずじまいでした。
笑っちゃいけないけど…。
その方にとっては、ツイテない日だったのでしょうね。
でも、ツイテない日に起こるのがその程度ですむって事は、
実はツイテる、ってことにならないでしょうか。
…あの方、どこかで稽古を続けているといけどなあ。
その七
以前荒川合気会に会報があり、その誌面に新入会員の紹介コ−ナ−
がありました。
その中に生まれ月の星座というのが紹介されていて、射手座、天秤座、双子座、おとめ座などなどお馴染みの星座が居並ぶ中、
ひときは異彩をはなつものひとつ。
【六白金星】!!…キラキラ−☆彡。
ここで一句。
♪八っつあんも 熊さんもいる 合気道
さがせば与太郎さんも居るんでしょうね、きっと。
『…あんたじゃないの』…天の声?

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