私が滝野川道場に向かう途中に、古い道標が立っています。
明治通りの田端新町3丁目の交差点からひとつ王子よりの道を左に入って、東北本線のガ−ドを過ぎてJR田端操車場にぶつかる道の右角です。
住所で言うと、東田端2丁目あたり。
その道標には、『左 王子道 右 六阿弥陀 西新井 弘法大師 … 』
と刻まれています。
文政11年世話人何の何某。…はっきりとは読めない。
いったいどれくらいの人がこの道標を見て通ったのでしょうか。
この道標に書かれている六阿弥陀は、当時六阿弥陀詣と言うのが観光名所になっていて、奈良時代の六阿弥陀伝説と言うのが元のようです。
その伝説に足立姫というお姫様が出てきます。
足立区の名の由来なのではないでしょうか。その姫の父親は宮城何某という人で、なんだか思い当たる事のある名前です。
今の季節は、生い茂った草の陰になりつつひっそりと。
日差しの強い真夏の午後など、なんだか風情のあるたたずまいです。
興味の無い方には、ただの小ぶりの石柱なのでしょうね。
文政11年は1828年。183年もの間、ここに立っています。
文政11年がどういう頃か調べてみると、勝海舟が5才、西郷隆盛1才、坂本竜馬が生まれるのはこの7年後、そんな年でした。
歴史と言うのは、確かに自分の足元にあるものですね。
♪ 役終えて 今は時間のナビゲ−タ− 老兵は死なず。…でしょうか。
今日の道場も暑いでしょうね。


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