今年も春の審査が終って、みんな昇級の免状を授与された。昇級するのだから嬉しく無い訳は無いはずだが、子ども達はそれほど喜びを表わさない。今年の審査は上級を受けた子どもも何人かいたので、内容はかなり難しかったはずだ。1〜2級は技数の多さでは大人のそれを上回る(要求されるレベルはちがうが)。だから審査の途中で苦労している子どももいた。そこでかねてから少年部担当の大人の間で相談をしていた、審査を受ける為の資格条件を明確にし、その条件を満足しないと審査を受けられないという制度を実施する事にした。嬉しい結果を得る為にはそれなりの努力が必要なのだという事を知って欲しい。その条件は、審査後、次の審査までに35日以上の稽古をする事だ。次の審査までは6ヵ月あり、日曜だけの稽古だと、およそ24日で条件に届かない。そういう子どもは一年に一度しか審査を受けられなくなる。
人は叱られるより誉められて成長するという。私もそうだろうと思う。だがそれは、自分の未熟さやいたらなさで口惜しい思いや残念な思いをした後、それに立ち向かった頑張りを誉められて成長するんじゃないのだろうか。私はそうであって欲しいと思っているが、それは大人の欲張りかな。要は、本人にとってそれが頑張りなのかどうかをこちらが気付いてやる事だろう。それは一人一人みんな違うのだから。目安として数字は守るが、それが目安である事は覚えておきたい。

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