子どもに『間合い』という話を時々する。子どもを並ばせると、スズメが電線に止まったように隣とほとんどくっ付いた状態になる。初めのうちは、子どもは人との距離を無意識では測れないものなのだと思っていた。だから適当な距離を作れないでくっ付いてしまうのだと思っていた。
しかしよく考えてみると人はもの心つくまでは、いや、その後もしばらくは、抱っこされたりおんぶされたりして生活するものだ。つまり子ども達の心地いい間合いは、「0」なのだ。くっ付いて並んでしまうのは当然の成り行きなのかも知れない。挨拶もそれに少し似ている。子どもの世界は、大人ほど挨拶を必要としない。道場で顔を合わせると、いきなり追いかけっこがはじまったりする。年少であるほどそうだ。
そんな子ども達に週に2時間、人との適切な距離と、いい挨拶が必要な時間を体験させる。それは合気道少年部の稽古の大きな部分だろう。

0