年少の稽古練成は後ろ受身から始まる。
慣れてしまえば何でもないが、後ろ受身はそれなりに複雑な運動だ。
年少にとっては難しい動きも含んでいる。立った姿勢からお尻をやわらかく
床につけるのは、最初はすんなり行かないものだ。
大人でも。
そんな受身の稽古は年少には欠かせない。膝行も同じだろう。
その後は体力つくりのための、走り、大また走り、などなど。
最後は前受身の稽古のためのかかり稽古、入り身投げと難度が少しずつ
上がって、800人ほどの年少の子どもたちが、みんな活発によく動いて終了。
このあと年少は観覧席に移動し、観覧席に居た年長が演武場の控えの場所に
移動、控えの場所に居た年中が演武場の中央へという入れ替わりが有る。
2500人近くの子どもが一度に動くのはなかなかどうして難しいものだ。
勿論大人が誘導するのだが、大人たちの間でそんな打合せは出来ていない。
前もって説明書は来ているが、これが読んだだけではなかなか解らない。
トリセツというのはそういうものだ。
私は一応責任者の立場にあったので、何かを他の大人に伝えておかなければ
いけない気がするが、あの大群集の中でなにも出来ない。しかし実際は
だから特にどう、という事もなくほとんど混乱もなく進行していくのは、
考えて見るとおもしろい。
みなさんそれぞれの判断で動くだけで充分という事なのだろう。
さて、年中と年長はさすがに基本的な稽古は無く、はじめから技の稽古だ。
荒川合気会では、稽古練成のときに同じ会の仲間同士ではなく、その日初めて
会った人と稽古をする、というのが大きな課題だ。
私の頭の中では、これが今回の少年練成大会の目玉イベントなので、
どれくらいの子ども達が出来るのか楽しみにしていた。
が、やはり全員決行というわけには行かなかった様だ。
実施率は6〜7割といったところか。
残りの4〜3割は、稽古が始まってもすぐには動き出さない。
自分から相手を見つけに行けないのでもぞもぞしていると、同じ雰囲気のが残って
その中でお互い組を作る。
結局知った顔同士が組むことになる。
しかし、ま、このこころみは今年初めてなので少しずつ積み重ねて、知らない人と
組むのが当たり前の感覚になるまで続けていければ良いと思っている。
そういう事のトレ−ニングとして、特に大会がなくても荒川合気会全部が集まる合同
稽古というのもいいのではないだろうか。
さて、こんな風にして少し課題は残しつつ年中年長ともに稽古練成も終了した。
残るはいよいよ演武練成。
…もう少し続く。

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