滝野川少年部に独自の杖の審査というものがある。ロ−カルル−ルだ。
初級の子ども達は20本の素振り、上級は31の杖をそれぞれ稽古しているので、それぞれの型を覚えたら審査を受けて、合格なら錬成之証というカ−ドを授与する仕組みだ。
ここしばらくの審査を受ける子どもが居なかったが、初級の子ども達の間で審査を受けたいという気運が高まってきて、久しぶりに『受けます』という申し出が1名あった。
しかしこの子は、稽古が始まる前に私一人が見て合格かどうかを判定すると思っていたらしく、『みんなの見ている前に出て一人でやってもらうよ』と言うと、そんな事は思ってもいなかったという風情で『ぇ〜〜…(~_~;)』と、しまったという表情になった。
ここは勇気を振り絞ってもらうしかない。
人前で一人で演武をするのは、なかなか大変なことだ。
それは大人でも子どもでも同じだ。
合格の条件は、型の動き方と技の名前を全て覚えて動けること。
彼の審査結果は、残念ながら不合格だった。
沢山ある動きの中でたった1箇所、杖を握り替えて逆手になるところを順手にしてしまった。
この結果は残念だろうが、もう一度受けるとまず間違いなく合格になるだろう。
本人もそれは分かっているだろうし、今度は自信をもって受けられるはずだ。
再チャレンジを楽しみに待っている。

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