滝野川の少年部に昨年秋の審査で『合格保留』になっていた子どもが3人居た。
3人とも5級を受けたのだが、いずれも二教と四方投げで引っかかっている。
3人とも中学生で、特別注意力が散漫な子どもではない。要は、説明したことを良く聞いていない、という事だろう。稽古の時にも私語が多く気持ちが稽古より相手との話の方に向いていて、頭にも身体にも入らないのだろう。
例えばこれが剣道だったら、ぼんやりしていると打たれてしまうので、自然に気持ちは集中する方向に行く。だが、合気道は違う。ボ−っとしていても特に困る事は無い。稽古事はなんでもそうだが、特に合気道は自分次第というところが大きい。
それを、気持ちが稽古に向くようにするのが少年部指導者の役目なのだろう。
大人の稽古には多分無いであろう大きな部分だ。
おもしろい事に、できなくて悔しいと感じるのは、高学年より低学年の子どものほうが多いようだ。それがたまたまなのか、そいいう傾向があるものなのかはっきりしないが。
ただ、みんな昇級はしたいと思っているようなので、できないで平気という訳で無いのは確かだが、それをやる気に変化させて引き出すのはどうすればいいのだろうか。
実はこの『合格保留』については、3人は『注意付き』で合格をいただいていた。
それを聞いて私が、できていないのなら不合格にしてくださいと審査の先生方にお願いしたが、そのときはもう合格の手続きがすんでいたので変更きない状態だった。そこで合格保留を私がお願いした。といういきさつがある。
ともかく追審査で色々注意をいただいて、何とか合格に落ち着いた。
こういう体験で、自分がやっていることに対する誠実さという事を考えるきっかけになってくれないだろうか。
そういう事に気が付くのが、今でなくても、何年か先でもかまわないのだが。

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