稽古が始まる前の時間に、子ども達に杖で正面打ちの素振りを課している。
子どもの身体に正中線を作るのが目的だ。なかなか難しいものだが。
小学生以上は100回、未就学児は50回。ぎりぎりに来る子も居るので全員ではないが、ほとんどの子どもがやっている。
そのあとはそれぞれ自分がやっている杖の型を自主稽古しているが、先日いつもと違う事を数人の子どもがやっていた。
かけっこだ。
道場内では距離が短いので、ビ−チフラッグ式のスタ−トを教えると面白がってやっている。それがしばらくすると、いつの間にか鬼ごっこに変わっていた。しかも特別ル−ルのようで、逃げるのも追いかけるのも膝行だ。追い詰められて早く逃げたい時は膝行の姿勢から前受身をしている。
面白い事を考えるものだ。
その遊びはよほど面白かったのだろう。あっという間にその場に居る子ども全員に広がった。
その日その中の一人の子どもが、『すぶりのあと、あれ(膝行鬼ごっこ)をやってていいですか?』と確かめに来た。勿論許可した。
素振りと型の稽古は、子ども達の中に、やらなければいけない事として認識されているのだろう。
そのあとの何日か様子を見ていると、今までは素振りをだらだらとやっていた子どもも、早く膝行鬼ごっこに入りたいのだろうか、素振りをサボらずにやっている。(笑)
面白い遊びの効果は大きい。
やはり身体は心が動かすものだ。

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